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旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?

文/おと週Web編集部、画像/写真AC、アイキャッチ画像/katterox@Adobe Stock

■カレーでもお馴染み

正解:シラスウナギ

難易度:★★★★★

日本では食用としては流通していません

シラスウナギはウナギの稚魚で、透明な姿をしているため「シラス」という名がつけられました。

日本では養殖用の稚魚(種苗)として欠かせない存在であり、スペインでは「アングラス(angulas)」と呼ばれ、冬の食卓を彩る伝統的な食材として知られています。

ニホンウナギはフィリピン東方のマリアナ諸島沖(西マリアナ海嶺付近)で、ヨーロッパウナギは大西洋のサルガッソ海で産卵すると考えられています。いずれも孵化後は「レプトセファルス」と呼ばれる葉のような形の仔魚となり、数千キロにおよぶ回遊ののち、外洋から沿岸へと近づく過程でシラスウナギへと変態し、河口や沿岸域にたどり着きます。

画像/OliveriusZettelmayer@Adobe Stock

旬は冬から春にかけてで、日本では12月から翌年3月頃に漁が行われ、スペインでも同じ時期に漁師たちが川でアングラスを捕獲します。

興味深いのは、ウナギの生態がいまだに謎に包まれていることです。どこでどのように産卵するのか、詳しい行動は完全には解明されていません。実際に産卵の瞬間を人間が目にしたことはなく、研究者たちは長年その謎に挑み続けています。

日本では、シラスウナギそのものを食べる習慣はほとんどなく、現在では主に養殖用の種苗として流通しています。かつては佃煮や煮付けにして珍味として楽しまれたこともありましたが、資源量の減少や価格の高騰、養殖向け需要の高まりなどを背景に、食用として市場に出回ることはきわめて稀になっています。

一方、スペイン、とくにバスク地方では、アングラス(シラスウナギ)をオリーブオイルとニンニク、唐辛子でさっと炒めた料理が定番で、素材の旨みと香りを生かした、シンプルながら印象深い一皿として親しまれています。

ただし、近年は資源の減少により価格が非常に高騰し、本物のアングラスは庶民には手が届きにくくなっています。

画像/Visions of Diversity@Adobe Stock
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『おとなの週末』Web編集部
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