ニッポン“チャーラー”の旅

あれが無料で付く!?奈良にオープンしたチャーラー専門店の太っ腹すぎるサービスに驚愕

チャーハンとラーメンのセット、略して“チャーラー”。愛知で親しまれるこのセットメニューを愛してやまない現地在住のライター・永谷正樹が、地元はもちろん、全国各地で出合ったチャーラーをご紹介する「ニッポン“チャーラー”の旅」。第48回の今回も前回に引き続き奈良へ。近鉄富雄駅前にチャーラーの専門店ができていたのだ。しかもそのサービスに驚愕。その内容とは!?

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チャーハンとラーメンのセット、略して“チャーラー”。愛知で親しまれるこのセットメニューを愛してやまない現地在住のライター・永谷正樹が、地元はもちろん、全国各地で出合ったチャーラーをご紹介する「ニッポン“チャーラー”の旅」。第48回の今回も前回に引き続き奈良へ。近鉄富雄駅前にチャーラーの専門店ができていたのだ。しかもそのサービスに驚愕。その内容とは!?

ラーメンにチャーハンが、チャーハンにラーメンが無料で付いてくる!?

奈良のご当地グルメといえば、何を思い浮かべるだろうか? にゅうめん? それとも茶粥? 柿の葉ずし? はたまたスタミナラーメン? 筆者が真っ先にイメージするのは、チャーラーである。奈良ではチャーラーのことを何と呼ばれているか知らないけど。

2023年11月、近鉄富雄駅前にある店がオープンして、チャーラー好きの間に激震が走ったのである。その店の名は『ラーメンか!チャーハンか!富雄駅前店』。ラーメンかチャーハンかの二者択一であれば、筆者は迷わず「両方!」と胸を張って答える。だからこそ、チャーラーの旅を続けているのだ。

『ラーメンか!チャーハンか!』外観。店は近鉄奈良線富雄駅東口から徒歩1、2分

ここはラーメンもチャーハンも食べたいというワガママな客の要望、いや、欲望に応えてくれる店なのである。えっ!? それぞれ注文すれば両方とも楽しめるだろうって? そうじゃない。ラーメンを注文すればチャーハンが、チャーハンを注文すればラーメンが無料で付いてくるのである。つまり、チャーラー専門店が奈良に誕生したのだ

しかも、無料のチャーハンもラーメンもお腹の空き具合に併せて、並盛、特盛と量が選べるというからスバラシイ。筆者の地元、名古屋の喫茶店のモーニングサービスを彷彿させる店が名古屋ではなく、奈良で誕生したのは悔しいが、この太っ腹すぎるサービスにチャーラー好きの間で激震が走ったというのも頷けるだろう。

チャーシュー満載のラーメンと並盛でも量が多いチャーハン

さて、店に到着したのは、平日の夜7時頃。店内は満員で、2組が寒空の下で席が空くのを待っていた。筆者もそこに並び、30分ほど経ってからようやく店内へ案内された。

店内は老若男女問わず、幅広い世代でごった返していた。大人2人で1つのセットを注文するのは禁じられているが、小学生以下の子ども連れであればシェアもOKのため、家族連れの客が目立った。

店の前に設置されたメニュー

注文は入口からすぐの自販機で食券を購入するスタイル。ラーメンはすべて醤油ラーメンで、「スタンダード」と濃口醤油とたまり醤油をブレンドした「黒」、薄口醤油をブレンドしたあっさり系の「白」の3種類

ラーメンもチャーハンも並盛はすべて990円これにサイズが選べるチャーハンかラーメンが無料で付く。なお、単品の場合は100円引きの890円となり、並盛と特盛からサイズが選べる。本当にどこまで太っ腹なんだ。

筆者が注文したのは、名古屋人である私にとって親しみのあるたまり醤油ベースの「醤油ラーメン·黒」の並盛チャーハンも並盛にした

「醤油ラーメン・黒」(990円)と無料の「チャーハン」。いずれも並盛だが、かなりのボリューム

チャーハンとラーメンはほぼ同時に着丼。このあたりはさすがチャーラー専門店。チャーハンとラーメンを交互に食べたいという客の気持ちをよくわかってらっしゃる。っていうか、何、このボリューム。ラーメンはともかく、チャーハンの量は巷の町中華の1人前よりも確実に多い。年を追うごとに衰えを実感している五十路の胃袋に収まるだろうか。

太っ腹なサービスをいつまでも続けてほしい

では、まずラーメンからチェックしてみよう。具材はチャーシューとメンマ、モヤシ、ネギとシンプルながら、チャーシューの量が多い。スープをとるのに豚バラのブロックを使っていて、それをチャーシューに流用しているかもしれない。

ラーメンはチャーシュー増しやモツ入り(各300円)などトッピングも可能

スープを飲むと、たまり醤油ならではのコクとほのかな甘みを感じる。ストレートの細麺にもよく合う。どこかで食べたことがあると思ったら、京都ラーメンの『第一旭』とよく似ている。京都ラーメンは名古屋人の筆者も定期的にリピートしたくなる。ラーメンのメニューを醤油ラーメンに絞り込んでいるのはそれが狙いなのか。

チャーハンもまたシンプルそのもの。全体的に黄色っぽいのは醤油で仕上げているからだろう。また、炒めムラがまったくなく、均等であることから、中華鍋を振る技術の高さも伝わってくる

チャーハンは単品で注文するとスープが付く

味については、やや塩味が強いものの、十分許容範囲。チャーハンの塩味とラーメンのスープのほのかな甘みが絶妙にマッチする。スープを飲みつつ、チャーハンを頬張っていると、あっという間に完食してしまった。これには筆者自身も驚いた。

周りを見ると、チャーハンの大盛を掻き込んでいる猛者もいる。チャーハンは並盛で450グラムあり、大盛となると600グラム。筆者は並盛でギリギリだったので、さすがに特盛はムリだ。

一方、ラーメンの特盛は麺が2玉になるという。これも筆者にはムリだな。チャーラー好き、かつ大飯喰らいのみなさまは、ぜひともチャーハン大盛とラーメン大盛にチャレンジしてほしい。

ラーメン店でサイドメニューの半チャーハンを注文すると1000円超えは当たり前になっている昨今、ここは貴重すぎる。どうかこの太っ腹なサービスをいつまでも続けてほしいと願うばかりである。

取材・撮影/永谷正樹

1969年愛知県生まれ。株式会社つむぐ代表。カメラマン兼ライターとして東海地方の食の情報を雑誌やwebメディアなどで発信。「チャーラー祭り」など食による地域活性化プロジェクトも手掛けている。

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