八戸前沖さば×タレは、もはや「肉」!? 「八戸サバ缶バー」新作登場!!
昨年は怒涛のごとく、さまざまなサバ缶がデビューしたが、ひときわ印象的だったのが「八戸サバ缶バー」。
昭和27年創業、青森県八戸市の水産加工メーカー・マルヌシが「八戸みやげの新定番を作りたい」と開発したサバ缶だ。
カラフルでスタイリッシュなパッケージ。
6種類の多彩な味付けが話題をよび、たちまち大ブレイク。
使用されているのは、青森が誇るブランドサバの「八戸前沖さば」。
本州における最北端の漁場である八戸港。
秋の早い時期から海水温が下がり、冷涼な水温で育まれたサバは、脂が身の全体に入り、肉でいえばまさに霜降り。
いわばサバの「大トロ」ともいえる味わいを堪能できる。
[八戸前沖さば。脂が身の全体に入り、とにかく麗しいまでに「脂ギッシュ」!]
八戸前沖さばの美味しさをいかしながら、「バーで、さまざまなお酒を味わうように、いろいろなサバ缶を楽しむ」をコンセプトに、さまざまな味付けを検討することになった。
30種類近くの味付けを検討した結果、「津軽海峡の塩」「ゆずこしょう」「グリーンカレー」「アヒージョ」「トムヤムクン」「ハバネロ」の6種類が2018年3月にデビュー。
HPには「八戸前沖さばで世界のグルメ」というコピーが躍るとおり、八戸発タイ、スペイン、メキシコとハンパない「回遊」っぷりだ。
[八戸サバ缶バー」。
「津軽海峡の塩」「ゆずこしょう」「グリーンカレー」「アヒージョ」「トムヤムクン」「ハバネロ」。
パスタやピザ、春巻きなど多彩なアレンジでも楽しめる。]
どれも八戸前沖さばのバツグンの脂のりと旨みを上手にいかした味付けで、美味しい。
ジェンヌ的には、スパイスがきいた「グリーンカレー」と「トムヤムクン」がお気に入り。
そして、この3月21日、7種類目がデビューを飾った。
じゃーん。
登場したのは「スタミナ源たれ」!
[3月21日にデビューした「スタミナ源たれ」。3月8日サバの日には地元でお披露目され、八戸市民のハートをわしづかみ!]
通称「源たれ」。
青森県では「ド定番」の調味料。
八戸サバ缶バー、世界を回遊して地元にリターン!
タレで味付けというサバ缶も、かなりレアである。
源たれは「上北農産加工農業協同組合」の30年にもわたるロングセラーで、青森ならではのリンゴやニンニクをたっぷり使い、容器の下には沈殿するほどたっぷりさまざまな生野菜をブレンド。
コクと風味がバツグンのタレで、青森県のご家庭の冷蔵庫には「必ずある」というアイテム。
[「ときめきの脂ギッシュ」が魅力の八戸前沖さばの身に、しっかりと源たれがしみこんでいる。うっとり]
基本は「焼肉のタレ」だが、サバとの相性もよい。
毎年、八戸で開催される「八戸前沖さばアイデア料理コンテスト」でも、このタレを使った作品が応募されることも多い。
試食しても、青魚界においてもっとも「肉的パンチ」のあるサバを、ググッと引き立て、印象深いメニューになっていたのが印象的だった。
じつに「サバランス」のいいタレなのである。
しかし、源たれを缶詰にそのまま使ってみると、サバから出た水分で味が薄くなったり、加熱によって風味が変わってしまったらしい。
愛する源たれの味わいをそのまま再現すべく、タレそのものをサバ缶用に調整。
試作に試作を重ねて完成したという。
さてそのお味は。
「肉やんか!」
きゃー。
完璧に、サバが「肉」と化している!
[きわめてコクうま。白めしエンドレス]
そもそも、脂がノリノリの八戸前沖さば。
源たれがからんだ皮目のトロンとした部分は、まるで「霜降り」。
血合いの部分は「まるでカルビ」。
ひえー。
サバ缶で「サバーベキュー」状態。
ミラクル!
[美しすぎる皮目部。とろける味わいはまさに「霜降り」!]
しかも、源たれマジックで、大変に「後引く味わい」。
うまいっ!!
食べ進めるうち、はた、と思い浮かんだ。
このコクのある味わい。
「あれ」が合うんではないかと。
はい、こちら。
[禁断の「バターのせ」。トロうま! やばい。やばいけど、ホットケーキの上にいるよりバターが輝いて見えるのはジェンヌだけだろうか……]
源たれがしみたサバをバターが、まろまろくるみこんで魅惑のマイルド化現象!
つまみによし、カリッと焼いたトースト、そして米にも合う!
「源たれサバター丼」(クレソンが合います)も、ぜひお試しを。
そして、お楽しみはもうひとつ。
缶汁!
まさに「八戸前沖さばのだし入り源たれ」と化した缶汁だけで、たぶん白めしが3杯食べられる!
恐るべし、「白めし無限缶汁」!
[缶汁も「ごはんの友」……]
新たな地元回遊は大成功。
ゆくゆくは「38種類の味付け」を目指しているという八戸サバ缶バーの今後が楽しみだ。
八戸サバ缶バー
八戸前沖さばでめぐる、世界のグルメ
詳しい商品の情報は、
https://38canbar.jp
「商品撮影/木村雅章(全日本さば連合会 サバフォトグラファー)」
池田陽子(いけだ ようこ)
サバファンの集い「鯖ナイト」や、日本中のサバ好きが集まる「鯖サミット」などの活動を担う「全さば連(全日本さば連合会)」広報担当/サバジェンヌとして活躍。本業は薬膳アテンダント/食文化ジャーナリスト。著書に『ゆる薬膳。』(日本文芸社)、『缶詰deゆる薬膳。』(宝島社)、『春夏秋冬ゆる薬膳。』(扶桑社)、「ゆる薬膳。」はじめたらするっと5kgヤセました!(青春出版社)、『サバが好き!』(山と渓谷社)など。『サバ薬膳簡単レシピ』(青春出版社 2月20日発売)
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