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芋焼酎でありながらフルーティ。単独で飲んでもおいしく、料理と合わせてもその味を引き立ててくれる。そんな「赤兎馬」の誕生の経緯、シリーズ化の秘話を杜氏・原氏に伺ってきた。

「伝兵衛蔵」杜氏・原健二郎さん

銘柄も飲み方もバリエーション豊富に楽しめる「薩州 赤兎馬」は食中酒にも最適です。

「夏は炭酸割りがおすすめ」と「伝兵衛蔵」杜氏の原さん。
伝兵衛蔵では昔ながらの木桶蒸留器で創業時の味を再現した焼酎造りも

商品開発研究室長。大学でさつま芋を研究していたことから浜田酒造(※浜の字体は本来、まゆはま)に入社。以来約30年、「だいやめ」など多くの人気銘柄開発に携わる。「焼酎の魅力は”伸び”が効くこと。自分の好みや体調に合わせて飲み方を変えられ、薄めに割っても味や香りのバランスが崩れにくいんです」。趣味は小売店など酒屋めぐり。

フルーティー系の先駆け「薩州 赤兎馬」の魅力

口に含めばすっきり清冽、後からフルーティーな香りとまろやかな芋の風味が颯爽と駆け抜ける。繊細な個性がありながらどんな料理も受け止めてくれる懐深い味は「薩州 赤兎馬」が数ある芋焼酎の中から選ばれる理由だろう。発売して24年。今なお愛される魅力はブランドストーリーと共にある。その秘密を知るべく、鹿児島県いちき串木野市、浜田酒造創業の地に立つ「伝兵衛蔵」を訪ねた。

石炭を焚いて蒸気を発生させるボイラーなど昔の焼酎造りの貴重な道具を展示したミュージアムも併設

明治元年創業の浜田酒造は特性の異なる3つの蔵を持ち、ここ「伝兵衛蔵」は伝統の技、味、歴史、文化を発信する核となる蔵だ。「薩州 赤兎馬」は「今までにない革新的な焼酎を生み出したい」との思いで2001年に発売した。

当時は第3次焼酎ブーム、芋らしいどっしりしたテイストが主流の時代。流行の逆をいく個性的な味は異例だったのでは?「伝兵衛蔵」杜氏で商品開発研究室長の原健二郎さんが明かす。

写真は麦焼酎の二次仕込みの様子。撹拌して数日間発酵させる

「芋らしさ=芋臭さを抑えることで差別化を図る狙いもありました。クリアな味は芋焼酎初心者でも飲みやすい。当初は売れない時期もあったのですが、販売戦略を見直し、口コミで広まりました」

味と香りの決め手は「濾過と熟成を工夫すること」と原さんは言う。「白麹と県産の新鮮なさつま芋を使い、シラス台地の清冽な水で仕込みます。濾過と熟成、磨き上げることで爽やかな飲み口とフルーティーな香りを引き出す。ロックや水割り、夏は炭酸割りもおすすめですよ」現在展開する「薩州 赤兎馬」ブランドはリキュールも含め11種。

三国志の名馬の名にちなんで命名した「薩州 赤兎馬」ブランドのラインナップ。
仕込む芋の違いなどで味わいが異なり、新商品開発には最低でも2年は掛かるという

新商品を開発する時は「赤兎馬らしさは失わず、けれど同じような味ではだめ。その加減を考える」そうで、ベースとなる「薩州 赤兎馬」の酒質にさつま芋の品種の違いなど別の酒質をブレンドすることで種類を拡充、ブランドを強化してきた。

今年5月発売の「薩州赤兎馬 抹茶使用」は抹茶と緑茶を原料に使用した酒質をブレンドしたもので、実に7年ぶりの新作だ。

梅酒などリキュールは今年5月にラベルをリニューアル
売店では「薩州赤兎馬」ブランドの他、「濵田酒造」の人気銘柄が揃う。
レストランも併設

「焼酎造りは自然の農産物を原料とし、目に見えない微生物で発酵させるので、毎回同じ味や狙った味が容易にできない。それが難しく、面白さでもあります。また、さまざまな酒から我々の焼酎を選んでもらうためには、市場で何が求められているか知ることが大切。日頃から酒屋を巡って研究し、気になる商品は買って味を確かめ、自分なりに評価しています」

そんな情熱が焼酎造りに込められているかと思うと、より大事に味わいたくなる。伝統と革新で造り出す「薩州 赤兎馬」ブランドの可能性はこの先も広がりそうだ。

蔵見学ではタイミングによって仕込みの様子を見ることもできる

浜田酒造 伝兵衛蔵(※浜の字体は本来、まゆはま)

「伝兵衛蔵」

[住所]鹿児島県いちき串木野市湊町4-1
[電話]0996-36-5771 【伝兵衛蔵】、0996-36-3131
[営業時間]売店:9時~17時、焼酎とお食事処伝兵衛:11時~15時、夜18時半~予約のみ
[蔵見学]11時~、14時~の1日2回(予約制)
[見学料金]大人(20歳以上)500円、20歳未満無料
[問い合わせ]浜田酒造 お客様相談室:0996-21-5260(平日9時~17時)
浜田酒造ECサイト:https://shochu.life/
赤兎馬ブランドサイト:https://www.sekitoba.co.jp/

撮影/浅沼ノア、取材/肥田木奈々

飲酒は20歳から。飲酒運転は法律で禁じられています。飲酒は適量を。妊娠中や授乳中の飲酒はお控えください。

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おとなの週末Web編集部
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