「3月11日」。今日は何の日でしょう?答えは「パンダ発見の日」!
笑っているように見えるあの顔はちょっと反則
1869(明治2)年3月11日、フランス人宣教師のアルマン・ダヴィド氏が、中国・四川省の民家で「白と黒の奇妙な熊の毛皮」を見せられます。その後、宣教師であると同時に動植物の研究家でもあったダヴィド氏は、その珍しい熊の標本を作りパリの博物館に送ることに成功します。この熊こそ、通称パンダと呼ばれているジャイアントパンダです。この出来事がきっかけとなり、世界にジャイアントパンダの存在が知られることになりました。
目の周りの黒毛が斜めに垂れ下がっているため、めちゃくちゃ愛らしく見えるジャイアントパンダ。一説にはスポーツ選手のように日差しから目を守るためとも言われていますが、笑っているようにも見えるあの顔だけで「カワイイ!」がゲットできるのはちょっと反則ですよね(笑)。
でもなぜ、手足・耳・目の周りが黒毛で、その他部分が白毛とくっきりと分かれているのか。シマウマやトラ、キリン、ヒョウといった体毛が柄に見える動物たちも、なぜそういう柄を作っているのか?まさに生命の神秘。何はともあれ、白黒の熊・ジャイアントパンダは世界中で人気者になりました。
カンカン、ランランが巻き起こしたパンダブーム
ジャイアントパンダが初めて日本にやってきたのは、1972(昭和47)年。日中国交正常化を記念し、中国から日中友好の証として「カンカン」「ランラン」というオスメス2頭のジャイアントパンダが贈られました。そして同年11月から、東京・上野動物園で一般公開が始まると、日本国内では熱狂的なパンダブームが巻き起こりました。連日、朝からパンダ目当ての来園者が押し寄せ大混雑でした。
実は筆者もこの大混雑の経験者。とりあえず子供は柵の近くに寄せてもらって見ることはできたけれど、「2時間並んで、見られるのはわずか数十秒」と言われたように、立ち止まることができず、柵越しに歩きながら見ていくスタイルだったと思います。
ちなみに初来日したカンカン・ランラン以降現在に至るまで、たくさんのパンダたちが上野動物園にいました。ホァンホァン、フェイフェイが来園し、彼らからトントン、ユウユウが誕生。リンリン、シュアンシュアン、リーリー、シンシン。そして現在は2021年に誕生した「シャオシャオ(暁暁)」と「レイレイ(蕾蕾)」の2頭のパンダが暮らしています。中には生まれて数日で亡くなってしまった赤ちゃんもいます。