ニッポン“チャーラー”の旅

チャーラー史上最高の豪華さ!京都・舞鶴『らーめん格別ヤ』の「格別セット」はおじ様ランチだ

チャーハンとラーメンのセット、略して“チャーラー”。愛知で親しまれるこのセットメニューを愛してやまない現地在住のライター・永谷正樹が、地元はもちろん、全国各地で出合ったチャーラーをご紹介する「ニッポン“チャーラー”の旅」。記念すべき第50回は、それを祝うかのような連載史上最高の豪華さを誇るチャーラーについて。京都・舞鶴で発見しました。

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チャーハンとラーメンのセット、略して“チャーラー”。愛知で親しまれるこのセットメニューを愛してやまない現地在住のライター・永谷正樹が、地元はもちろん、全国各地で出合ったチャーラーをご紹介する「ニッポン“チャーラー”の旅」。記念すべき第50回は、それを祝うかのような連載史上最高の豪華さを誇るチャーラーについて。京都・舞鶴で発見しました。

黄色い看板に吸い寄せられるように店内へ

京都府舞鶴市へ行ってきた。いや、正確には福知山で仕事をして、帰り道の途中にある舞鶴で宿泊したのだ。筆者の自宅から車で片道3時間以上かけて福知山へ向かい、取材と撮影。さすがに疲れた。こういう日の夕食は、その土地にしかないローカルチェーンが重宝する。味もサービスも一定のレベルに達しているため、大きくハズレることはないからだ。

店は国道27号線沿い。「舞鶴市役所」交差点の角にある

ってことで、選んだのは『らーめん格別ヤ 東舞鶴店』。福知山と兵庫県朝来市に展開しているほか、別ブランドで『総本家広瀬家 特製ラーメン 第一旭』も京都府北部に3店舗と兵庫県丹波市に1店舗の計4店舗も手がけている。

外観は黄色い看板がよく目立つ。東舞鶴店は11時から24時半(24時LO)までの通し営業。たまたま店の前を通りかかってこの黄色い看板を見つけて、吸い寄せられるように店へ入ってしまった。広々とした駐車場が完備しているのもありがたい。

ラーメンのメニュー。背脂醤油のほか辛口やみそ、とんこつ、塩などがあり、トッピングも細かく対応している
こちらはセットメニューとごはん物。焼飯は単品でも小、並、大と選べる

メニューがこれまたスゴかった。セットメニューが充実しまくっているのだ。ライス付きの餃子セットや唐揚げセットのほか、炙りチャーシュー3枚とライスの焼肉セットもある。もちろん、焼飯セットも用意していて、お腹の減り具合に合わせて小、中、大から選ぶことができる。

いちばんスゴイと思ったのは、焼飯(小)に炙りチャーシュー2枚と唐揚げ2個、千切りキャベツがワンプレートに盛られた「格別セット」ラーメンの代金に605円の追加で注文できる。これでも足らないという大飯喰らいの人は+110円で焼飯を並盛にできる。いやー、メニュー構成が実にきめ細やかで素晴らしい。気に入った!

お子様ランチのようなワクワク感があるチャーラー

今日、仕事をがんばった自分へのご褒美として、デフォルトの「格別ラーメン」(792円)に「格別セット」を注文した。

「格別ラーメン」(792円)と「格別セット」(605円)。計1397円で豪華なセットになる

待つこと約10分。目の前に運ばれたのがこれ。いつものチャーラーの絵よりもかなり豪華でしょ? 子供の頃に食べたお子様ランチのようなワクワク感があるなー。まさにこれは「おじ様ランチ」ではないか。唐揚げと炙りチャーシューをアテに生ビールを飲み、チャーラーで締めくくるのが「おじ様ランチ」の流儀だろう。筆者は車で来たから飲めないけど。

「格別ラーメン」。背脂のコクが味の決め手。チャーシューも旨い

まずはラーメンからチェックしてみよう。ビジュアルは背脂醤油の京都ラーメンそのもの。具材はチャーシューともやし、ネギ、そして煮卵半分。デフォルトでありながら煮卵が入るのはうれしい限り。

京都ラーメンであれば、スープはおそらく鶏ガラと豚骨だろう。背脂を加えることでコクを生み出している。スープの表面を覆い尽くす背脂をレンゲでかき分けると、クリアなスープが顔を出す。飲んでみると、やや塩味を強く感じたものの、汗水流して働いた身体に染み渡る。いやー、旨い!

麺は中細のストレート麺。これもいかにも京都ラーメンの麺。加水率低めで噛み応えがよい。特筆すべきはとろけるような味わいのチャーシュー。見ての通り、肉を巻いて仕上げている。豚バラやロースのブロック肉を煮込んだだけのチャーシューが多い中、手間をかけているのがわかる。

「格別セット」。千切りキャベツも箸休めになる。唐揚げと一緒に食べてもおいしい

では次に「格別セット」を見てみよう。いやー、やっぱり豪華だ。それにしても、これ、中華鍋を振って焼飯を作る傍ら、フライヤーで唐揚げを揚げて、さらにフライパンでチャーシューを炙らなければならない。むちゃくちゃ面倒くさいのに605円という価格は破格だと思う。それこそ、お昼時の忙しい時間帯に注文が入ったら……私が調理スタッフだったらブチキレるだろうなぁ。

焼飯に炒めムラがあるのはご愛嬌。パラパラ系の食感で、味付けはラーメンやほかのおかずとのマッチングを考えてやや薄め。このあたりもよく考えられている。唐揚げも衣がサクサクで、噛むごとにジューシーな鶏モモ肉の旨みが広がる。

圧巻だったのは炙りチャーシュー。甘辛いタレに絡めて炙ってあり、むちゃくちゃ焼飯が進むのだ。白飯ならこれだけで茶碗1杯は平らげることができる。おっと、チャーラーの旅なのに、炙りチャーシューで焼飯を食べすぎてしまった……。これは痛恨のミス! 残り2口くらいになってしまった焼飯をラーメンのスープとともに味わって締めくくった。

今回はいつになく豪華なチャーラーだったが、たまにはこんなのもいいよね。

取材・撮影/永谷正樹

1969年愛知県生まれ。株式会社つむぐ代表。カメラマン兼ライターとして東海地方の食の情報を雑誌やwebメディアなどで発信。「チャーラー祭り」など食による地域活性化プロジェクトも手掛けている。

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