お寺の五重塔が建築設計と技術のヒントに!
まだまだ珍しい超高層ビルとして注目されただけでなく、霞が関ビルディングは耐震対策を意識した柔構造設計で建てられた日本最初のビルで、その後の高層ビル建設にも大きな影響を与えたといいます。柔構造とは簡単にいうと、建築物に働く地震の力を吸収して建築物の破壊を防ぐ構造のこと。いろいろ調べていたら、霞が関ビルディングの建設には、「日本の超高層ビルの礎を築いた霞が関ビルの建設計画 関東大震災を耐えた上野・寛永寺の五重塔がヒントに」(2015年8月21日、産経新聞のニュースサイトより)など、まだまだたくさんのエピソードがあるようです。
そんな霞が関ビルディングの完成以降、東京では多くの超高層ビルの建設ラッシュが始まります。1970(昭和45)年には世界貿易センタービルディング(東京都港区浜松町、地上40階、現在建て替え中)が当時東洋一の高さを誇るビルとして完成、1971(昭和46)年には京王プラザホテル(東京都新宿区西新宿、地上47階)が日本初の超高層ホテルとして開業しました。
さらに1974(昭和49)年には、新宿住友ビル(東京都新宿区西新宿、地上52階)、新宿三井ビルディング(東京都新宿区西新宿、地上55階)、そして1978(昭和53)年にはついに60階建ての超高層ビル「サンシャイン60」(東京都豊島区東池袋)が建設されました。