『アルカトラズからの脱出』と『グリーンマイル』
映画ではたまに、小動物が物語の重要なアクセントとして描かれます。思い浮かぶのが、クリント・イーストウッド主演『アルカトラズからの脱出』(ドン・シーゲル監督、1979年)と、トム・ハンクス主演『グリーンマイル』(フランク・ダラボン監督、1999年)という2本のアメリカ映画。いずれも、舞台は刑務所で、囚人の心を癒す“ペット”のような存在としてネズミが登場していました。
満吉くんが今回会いに行くのは、「ハムスター」です。ネズミにもいろいろな種類がありますが、自宅で飼う愛玩動物としては、ハムスターがポピュラーな存在かもしれません。上記の2作品の中で愛らしいキャラクターとして位置づけられていたネズミ(恐らくドブネズミ)のことを思い出して、ハムスターと何が違うのかと、素朴な疑問がわきました。
双方とも、歯が伸び続ける「げっ歯類」という仲間に属します。ただ、外見、生態など異なる部分があります。ネズミに比べ、ハムスターは基本的にずんぐりとした丸っこい外見。体毛もやわらかいです。ネズミにはない頬袋を持ち、食べ物を溜めたりします。ごく短い尾っぽも特徴です。真後ろから見ると、モフモフとしてなんとも愛らしい。これが、“ハムケツ”と言われて、ハムスター人気をさらに押し上げたようです。写真集も出版されているぐらいです。
ゴールデンハムスターの祖先
ハムスターは、げっ歯類の「キヌゲネズミ亜科」動物の総称で、平凡社『世界大百科事典』(第2版)によると、「ヨーロッパからアジアに6属17種ほどが分布」しているといいます。その中で、日本のペットショップでよく見られるのは、「ゴールデンハムスター」。日本獣医師会の『学校飼育動物の診療ハンドブック』によると、「1930年にシリアで発見された母親と11頭の子供たちが、現在世界中に広まっているハムスターの祖先」だそうです。
ペットショップのコジマのホームページによると、ゴールデンハムスターのおすすめ度は高い。飼いやすいため、「小動物飼育の入門種のひとつといえるだろう」と説明しています。
江戸家猫ハッピー(Edoya Nekohappy)
マルチクリエイター。動物ものまね芸人「三代目 江戸家猫八」の末娘。
1993年から15年間、俳優・緒形拳に師事。共著「地球徒歩トボ」(学研)では写真を担当した。オリジナルキャラクターである猫の「満吉くん」を通して、地球を楽しむための写真・漫画・グッズなどを発信している。2023年7月、伊豆高原で「猫満福庵」という猫のいるギャラリーをオープン。
・「猫満福庵」https://nekomanpukuan.com/
・「江戸家猫ハッピー」https://nekohappy.com/