今シリーズは奥多摩周辺を舞台にお届けしています。東西に長い東京都。その西半分を占める多摩地区は大きく3つの地域に分かれています。筆者が住む北多摩(三鷹市、府中市など)、南多摩(八王子市、町田市など)、そして西多摩(青梅市や奥多摩町など)です。いわゆる「三多摩(さんたま)」ですね。歴史をさかのぼると、三多摩が東京府(当時)に編入された1893(明治26)年までは、そのほとんどが神奈川県だったそうです。明治の激動期を経て、いま奥多摩界隈は東京の奥座敷になりました。春は桜を愛で、夏は渓流に涼み、秋は紅葉狩りを楽しみ、冬は静寂と戯れる。四季折々の風景と美味しい食べ物に恵まれた奥多摩。「ご当地グルメ”旅”歩き」で東京を取り上げるのは実は初めてになりますが、まさにうってつけのエリアなのではないでしょうか。今回はシリーズ第3弾として、「食堂」、「洋食」、「町中華」の超お薦め処に出没したいと思います。
「手打ち中華そば」がめちゃくちゃ美味しかった『のんきや』
最初に奥多摩を代表する食堂『のんきや』(奥多摩町)をご紹介しましょう。振り返ると初めて奥多摩に自転車で登ったのは2014(平成26)年でした。三鷹から奥多摩湖を経由し山梨県小菅村(標高約830メートル)まで約80キロのロングラン。ヘトヘトになった帰りに立ち寄ったお店が『のんきや』です。
いただいたのは、当店の名物である「手打ち中華そば」。ところが、めちゃくちゃ美味しかった記憶はあるものの、強烈に残っている味の正体が思い出せません。記事を書くのにそれではいかんと先日再訪してきました(軟弱に自動車で…)。
お店はまさに奥多摩湖の周遊道路沿いにあります。1階は数台停められる駐車場(すぐ近くにも駐車スペースあり)で、階段を上がった2階が食堂になっています。当日も満席で相変わらず人気があるお店です。メニューは食堂そのもの。おでんからカレーにチャーハン、かつ丼、そば類と何でもあるお店ですが、大半の方が注文するのがやはり「手打ち中華そば」です。筆者が頼んだのはノンアルビールともちろん「手打ち中華そば」。ノンアルにはホカホカの「ひじき」が着いてくるとは嬉しいですね。
しばらくすると「手打ち中華そば」を女将さんが運んできました。机に置かれた瞬間、10年前の強烈な印象が蘇りました。トンコツの匂いです。見た目は醤油味のすっきり系に見えますが、香りはまるで博多ラーメン。スープを豚骨でガッツリ仕込んでいることがうかがえます。ちじれ麺と細いメンマととんこつスープが絡み、お箸が止まりません。周りの方は、定食やチャーハンなども食べていますが、必ず「手打ち中華そば」もセットで食べているようです。恐るべし、『のんきや』の「手打ち中華そば」です。

 
                         
                         
                 
                     
                     
                         
                     
            












 
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                             
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
     
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
             
                             
                                         
             
                                        