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『ハンバーグレストラン びっくりドンキー』の超初心者であるライター・市村が2025年夏、同チェーンの経営会社『アレフ』(本社・札幌市)の北海道プレスツアーに参加した。看板メニュー「ハンバーグディッシュ」など料理の数々に加え、中でもその美味しさに驚いたのが「ドンキーハウスビール〈樽生〉」という自社醸造のビールだ。北海道小樽市にある自社醸造所で聞いた、ビールへの並々ならぬこだわりを紹介する。スッキリとしながらコクがあって、これからの季節にもおすすめしたいビールだ。

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2000キロリットル→60キロリットルで、創業者の思いが実現

この夏以来、お酒好きの友人たちにドヤ顔をして伝えていることがある。それは『ハンバーグレストラン びっくりドンキー』のビールがとっても美味しい!ということ。その名も「ドンキーハウスビール〈樽生〉」は、『びっくりドンキー』を運営する『アレフ』が北海道小樽市にある自社醸造所でドイツの伝統的な製法に則って造っている。

そもそも『びっくりドンキー』創業者の庄司昭夫さんが約50年前の1970年代半ばにドイツを旅した際、ビールだけでも5000も6000も銘柄があることに圧倒されたそう。

「当時の日本はいくつかのブランドはあったものの、ビールの種類自体はいわゆるピルスナータイプという金色のものと黒色のものが少しあった程度でした。ドイツでは街ごとにさまざまなビールがあって、それを求めてヨーロッパ中から人々が集まってくることに(庄司さんは)感銘を受けたそうです」と教えてくれたのは、醸造所を案内してくださったのは醸造所見学ツアーの案内役を務める佐藤祐正さんだ。

「多種多様なビールをその日の気分で『選べる豊かさ』を、日本でも実現したい」。そんな創業者の思いが結実したのは、それから約20年も後のことだった。

当時の日本は、酒税法でビールの年間最低製造量が2000キロリットルと定められており、実質的に大手メーカーしか製造できなかったからだ。しかし、1994(平成6)年4月の酒税法改正により、最低製造量が清酒と同じ60キロリットルに引き下げられた。

1995年に小樽ビールが誕生、ドイツの「ブラウエンジニア」が担当

1995年7月、醸造所とビアパブを併設したブルワリーパブ『小樽ビール 小樽倉庫No.1』がオープン。ビールの醸造が始まった。現在、「ピルスナー」「ドンケル」(ドイツ語で「暗い」という意味のほのかな甘みとコクのあるタイプ)「ヴァイス」(小麦麦芽を使ったフルーティーなタイプ)のレギュラー3タイプと、季節の限定醸造ビールなどが提供されている。

『小樽ビール 小樽倉庫No.1』 雰囲気のあるビアパブで小樽ビールを楽しめる

その設計や運営の際に招聘されたのが、ドイツでおよそ200年の歴史を持つビール醸造の名家出身で「ブラウエンジニア」のヨハネス・ブラウンさんだ。

佐藤さんによると、「ブラウエンジニア」とはビール醸造はもちろん、ビール工場の設計やビールのマーケティングに至るまで、ビール造りの全てを担っていて幅広い能力・知識・経験が必要とされる、職人の国・ドイツでも超難関の国家資格なのだとか。

『小樽ビール 小樽倉庫No.1』の客席から見えるタンク。日本は地震が多いと聞いたブラウンさんが転倒防止のため横向きに設置したのだそう

小樽の地で試行錯誤を重ねながら、同社のビール製造の礎を築いたブラウンさんは、2020年まで最高責任者を務め、現在は顧問としてドイツでの原材料の調達などをしつつ、ドイツと日本を行き来している。

軽妙な語り口で案内してくれた佐藤祐正さん
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小樽の水は、ビール造りに良い
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市村 幸妙
市村 幸妙

市村 幸妙

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