カニ、エビ、貝といった海鮮、鹿、羊といった肉類、乳製品や小麦粉を使ったパスタ.さらに今や全国的な人気を誇るスープカレーまで。北海道の食材をふんだんに使った飲食店や本店を北海道に置く東京のお店を集めました。今回は、その中でも北海道の肉を存分に楽しめる人気店をご紹介。夏の最後に、小さくておいしい北海道グルメ旅はいかがですか?
極上蝦夷鹿の魅力をフレンチの技で表現『前田食堂』@赤坂見附
見た目は馴染みのハンバーグ、けれど食べればハッと驚くだろう。
伝説のハンター松野さんのエゾ鹿フランス風ハンバーグウチモモ肉のステックアッシェ3960円

ステックアッシェとはつなぎなしの挽肉で作るフランス風ハンバーグのこと。牛を使う場合が多いが、北海道出身の前田真吾シェフが選んだのは看板食材である白糠町の蝦夷鹿だ。それも伝説のハンターと称される松野穣氏が射止めた一級品。
的確な技で絞めた肉は独特の豊かな味わいと香りがあり、肉質に惚れた前田真吾さんは猟に同行したこともあるそう。
カリッとクリスピーな焼き目にナイフを入れると旨みの塊がほどけ、何というのかな、ウチモモ肉が持つ野趣味が体に満ちていくおいしさ。思い出すだけで顔がとろんと崩れる。
北の食材はまだあります、夏は生ウニのパスタ。海苔と柚子胡椒で主役を引き立てるセンスには思わずははあ~と降参。とにかく素敵な店。
マネージャー:猪本洋司さん「北海道のワインと合わせて楽しむのもオススメです」
[店名]『前田食堂』
[住所]東京都港区赤坂4-2-2赤坂DNプラザビル1階
[電話]03-6459-1777
[営業時間]11時~15時(14時半LO)、18時~23時(22時LO)、土・祝:18時~22時(21時LO)※変更あり
[休日]日、他不定休
[交通]地下鉄銀座線ほか赤坂見附駅10番出口から徒歩2分
ア・ラ・カルトOKの親しみやすい雰囲気がいい『エゾットリア』@千駄木
鹿専門の猟師が仕留めたというえぞ鹿のローストは、しっとりとロゼ色に焼き上がり、澄んだうまみをたたえていた。そこに意外性のあるにらソースを合わせる。
白老村田さん・えぞ鹿もも肉のローストにらソース3300円
「この組み合わせ、面白いですね」と聞いてみると、店主の濱野さんは「ジンギスカンには必ずにらを入れるので、そのイメージで作ったんですよ」と教えてくれた。
ここは、食材ありきのイタリアン。どんな風に料理するかは、素材を見てから決めている。肉は北海道のベテラン猟師から、魚は信頼のおける魚屋から仕入れていて、この魚屋が、北海道出身だから道産の魚にめっぽう強い。
ア・ラ・カルトで好きなものを好きなように食べられて、しかもカトラリーには箸もある、と気楽。地元で長く愛される、アットホームで小さなトラットリアだ。
店主:濱野俊明さん「小さいお店なので来る前に電話をもらえると安心です」
[店名]『エゾットリア』
[住所]東京都文京区千駄木3-44-1すずらん通り内
[電話]090-9433-7653
[営業時間]18時~23時(22時LO)
[休日]月・木
[交通]地下鉄千代田線千駄木駅2番出口から徒歩5分
北海道クオリティの食材をイタリア料理で発信『北海道イタリアンMia Bocca(ミア・ボッカ)新宿タカシマヤタイムズスクエア店』@新宿
豊かな風土に育まれた北海道の味覚をイタリアンに落とし込んだら……魅力もおいしさも2倍3倍、王道のピッツァやパスタもひと味違うクオリティに昇華する。魚介類、野菜、肉はもちろん、乳製品に卵に小麦粉に米まで、広大な美味の宝庫のあれやこれやを取り入れた料理の満足感はさすが地元発のレストランだ。
多彩なメニューから目に止まったのがタリアータ。
十勝若牛のタリアータ3480円

実はこれ、「十勝若牛」という十勝清水町の農家だけで生産される希少な銘柄牛を使っているそうで、きめ細かくコク深い肉質にうっとり、特別感も満載だ。
季節限定の旬の味も楽しい。今の時季なら道産トマト「純あま」と常呂産ホタテのパスタはいかが。甘く弾ける真っ赤な実と肉厚ホタテが織り成す旨みの共演に拍手。改めて思う。すごいなあ、北海道。
イタリアン事業部・事業部長:栗虫克典さん「北海道×イタリアンがコンセプトです」
[店名]『北海道イタリアンMia Bocca(ミア・ボッカ)新宿タカシマヤタイムズスクエア店』
[住所]東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-2タカシマヤタイムズスクエア13階
[電話]03-5361-1877
[営業時間]11時~23時(22時LO)
[休日]施設に準ずる
[交通]JR山手線ほか新宿駅新南改札・ミライナタワー改札から徒歩2分