小樽の水は、ビール造りに良い
佐藤さんは、小樽にビール醸造所を置くに至った理由を教えてくれた。
「お酒造りにおいて、お水が大切なことは皆さんご存知の通りです。北海道はどの場所も素晴らしい水質ですが、そんな中でも小樽の水は幅広い種類のビールを作ることができるミネラルバランスでビール造りに利がある水質でした。いろいろなビールを皆さんに紹介したいという思いも持っていたので、この水はその実現のために大事でした。なお、世界で広く愛されているビールのピルスナー(タイプ)は、1842年にチェコのピルゼンという街で生まれました。ピルゼンは良質な軟水で有名なのですが、小樽はピルゼンと比較的近い水質だったという奇跡の場所でもありました」
ピルスナータイプは、長きにわたって日本でも主流のビール。クリアな黄金色で爽快感のある味わいが特徴だ。
麦農家に生育方法「仕様書」のこだわり ドイツ国外では小樽ビールだけ
『小樽ビール』では、原材料に麦芽とホップと水と自家製酵母のみを使用し、その他の副原料は一切使っていない。
原料である二条大麦は、ドイツ南部の5軒の麦農家さんに生育方法の仕様書を出し、栽培されたオーガニックのものを使用している。佐藤さんによると、ドイツ国内には1300以上のビールの醸造所があるとされているが、そのうち農家に対して仕様書を出しているのは4か所のみだそうで、ドイツ国外では『小樽ビール』だけなんだとか。
「こだわって育ててくださった大麦で造ったビールだから、力強いコクや風味がお楽しみいただけます。そりゃ美味しいに決まっているじゃない! というのが私たちの思いです」(佐藤さん)
ビールに欠かせない香りを提供してくれるホップについては次のように話す。
「2種類のドイツ産の希少品種のアロマホップを使用しています。このホップには比較的強いリラックス効果や鎮静効果があるんです。ですから、何か嫌なことがあった日にはぜひビールをご活用いただけたらと思います」と佐藤さんは笑う。



