炊事場とダイニングルームがきれいになったワケ
コロナ禍を境に、各地の温泉地が変革を遂げた。玉川温泉では2021年春に共同炊事場が新しくなり、その向かいにある自炊部ダイニングも2022年から計4カ所をリニューアルした。
その理由を代表取締役社長の畠山米一さんにお聞きすると、「湯治客を大事にしている玉川温泉ですので、お客様同士が情報交換できるよう、コミュニケーションをとれる場所づくりを考えました」という答えが返ってきた。
玉川温泉はこれからも湯治宿であり続ける、という意思表明でもある。
玉川温泉の客室数は177室。「自炊部」と、2食付きの「旅館部」に分かれ、自炊部はトイレが共同だが1室2名利用で5650円〜と割安。一人利用でも7630円〜。この金額ならば長期滞在ができる。自炊スタイルがメインだが、希望によって夕食(2750円)、朝食(1760円)もつけることができる。
「湯治棟の稼働は高く、半年前から予約が埋まっている状態」(畠山支配人)という。
1泊2食の「旅館部」では、トイレ付きのベッドルームもある。20年ほど前に訪れたときには「病気療養の人以外、軽い気分で行ってはいけない温泉」のように感じた玉川温泉だが、今は誰もが利用しやすい温泉地に変わってきた。





