冬季は新玉川温泉のみ営業する
玉川温泉は冬季は休業するので、冬に宿泊する人は1泊2食の「新玉川温泉」に出かけよう。こちらは夕・朝食はブッフェスタイルの「湯治リゾート」のような温泉宿だ。2018年にロビーがきれいになり、客室も和室にベッドを置くなどリニューアルが進められてきた。オフシーズンで一人利用なら1万6100円〜。一部屋複数人数利用ならもっと安くなる。シングル利用できる客室は48室あるので、一人旅にもやさしい。
アクセスは東北新幹線の田沢湖駅から1時間15分、バスに揺られて到着する。冬季はバスの本数も少なくなるが、のどかな山道は秘境の温泉をめざすのに、ちょうどいい距離感だろう。なお、田沢湖駅の隣のバス停は「乳頭温泉」線。同じ秋田県の人気温泉郷をハシゴするのもいい。
玉川温泉
日本一の強酸性の温泉が毎分9000リットル湧き出し、1カ所の湧出量は日本一を誇る。大同6(806)年に焼山火山の噴火によって形成され、開湯は延宝8(1680)年頃、鹿が温泉で傷を癒やしているのを、マタギが発見したのが始まり。江戸末期から硫黄山労働者などに湯治場として利用され始め、明治時代に温泉宿が開かれた。玉川温泉・新玉川温泉の2つの宿泊施設がある。
『玉川温泉』『新玉川温泉』
[住所]秋田県仙北市田沢湖玉川
[電話]0187-58-3000
[宿泊料金]玉川温泉自炊部5650円〜、旅館部1万600円〜(11月30日~4月14日は休館)/新玉川温泉1万4450円(2026年4月以降は1万5000円)〜(1室2名利用時、消費税・入湯税込)
[日帰り入浴]800円(2026年3月末まで、4月以降は1000円。10時〜15時、14時30分最終受付)
文・写真/野添ちかこ
温泉と宿のライター、旅行作家。「心まであったかくする旅」をテーマに日々奔走中。「NIKKEIプラス1」(日本経済新聞土曜日版)に「湯の心旅」、「旅の手帖」(交通新聞社)に「会いに行きたい温泉宿」を連載中。著書に『旅行ライターになろう!』(青弓社)や『千葉の湯めぐり』(幹書房)。岐阜県中部山岳国立公園活性化プロジェクト顧問、熊野古道女子部理事。














