洒落たバーラウンジで、ワインや地酒が飲み放題――。福島市の高湯(たかゆ)温泉にある『安達屋』は酒好きにうれしい、ラウンジでのフリードリンクサービスを行う遊び心満点の宿。ソムリエ、日本酒のきき酒師の資格をもつ専務がセレクトした酒を夕食時のみならず、ラウンジでも思う存分、味わえる。
お酒に特化し、ウエルカムドリンクもアルコールを多数用意
「フリードリンク」といってもアルコールはせいぜい2、3種類。コロナ禍の後は衛生管理の名目で、紙コップがスタンダードになった宿が多い中、安達屋のラウンジではバースタッフがグラスで飲み物サービスをしてくれる。優雅な気分に浸れる「大人のための宿」である。
安達屋の創業は慶長12(1607)年。400年を超える歴史がある。
チェックイン後に通されるのは、ラウンジ「Hetre (エートゥル)」。「エートゥル」とは「ブナの木」を意味するフランス語。宿の裏山に広がるブナ林をイメージし、ダークブラウンを基調に現代とクラシックが融合した素敵な空間が広がっている。
福島県産ウイスキーなど地元のお酒が揃う
ウエルカムドリンクとして用意されているのは、ノンアルコールのフルーツスパークリング。さらにラウンジでは、ビールやフルーツフレーバーの赤・白のスパークリングワイン、ワイン、ウイスキー、ジン、焼酎など20種類弱をフリードリンクでサービスしている。カシスリキュールを使ったカクテル類やノンアルコールのワインもある。
ビールはハイネケンと、キリンのプレミアムビール「ブラウマイスター」の2種類をサーバーからグラスに注ぐ。バーボン樽原酒をベースに赤ワイン樽などの原酒もブレンドした福島県産のブレンディッドウイスキー「963 メロウ ノーツ」、福島・塙町の大麦と水で造られた奥久慈塙(おくくじはなわ)蒸留所(塙町)の本格麦焼酎「水毬(みずまり)」など地ウイスキー・地酒も飲める。フリードリンクなのに無人ではなく、バースタッフが常駐し、ウイスキーを炭酸で割ったハイボールやキールなどの簡単なカクテルも作ってくれる。
リゾートカンパニーで経験を積み、実家の宿へ
安達屋の専務、菅野信幸さんは、国内外で多数のホテルなどを運営するリゾートカンパニーで料飲・調理部門などを経験した後の2019年、生まれ育ったこの宿に戻った。ソムリエ、日本酒のきき酒師の資格を持ち、さまざまな酒に詳しいことから、酒に特化したサービスが始まった。
「暗めの雰囲気の中、くつろぎの時間を過ごしてほしい」と空間作りにも気を遣い、スタッフのフルサービスにこだわっている。








