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一脚一脚が違う家具!2024年にリニューアル、進化を続ける宿

2024年にリニューアルした客室

この宿でフリードリンクが始まったのは、2020年の1回目のコロナ騒動以降から。2011年3月の東日本大震災後に宿泊者を中学生以上に限定し、「大人のための宿」をコンセプトにしていたサービスを、さらに推し進めた格好だ。ハード面ではここ2年ほどでさらなる進化を遂げている。

なぜ、飲み放題を始めたのだろうか。

「自身もラグジュアリー旅館に泊まりに行くなかで『ふだんは体験できない非日常の体験をしてみたい』と感じ、『安達屋』のお客様にもホテルのクラブラウンジのような洗練された空間で素敵な体験をしていただきたいと思いました」と、菅野専務は説明する。

酒が飲めるラウンジは2024年3月にリニューアルオープン。1960年代のヨーロッパのアンティーク家具やアメリカの開拓時代に流行したアーリーアメリカン様式のチェアなどが置かれ、ゆったり過ごすのにちょうどいい。

「すべて同じ椅子を置くと、食堂のようになってしまいますから、一脚一脚違う家具をセレクトしています。お客さまからは一日中座っていたいとおっしゃっていただけます」と菅野専務は言う。

18室ある客室のうち、3部屋は2024年にリニューアル。2室の大きさを1室にした客室もある。

自然の造形美を生かした手造り露天風呂、混浴から男女別に

自然と調和した手造りの露天風呂

安達屋の風呂は、自然の景観を生かした湯船が独創的だ。館主が造園家と一緒に手造りした、遊び心漂う湯船で、土と草と曲がり木で造られた洞窟が自然景観と一体化している。

この風呂は以前は混浴だったが、2025年7月の工事で男女別にわけ、さらに「東湯」「西湯」という男女別の内風呂を整備した。川のような露天風呂はかつては浅めだったが、全ての場所で肩まで浸かれる深さに。ミルキーブルーのにごり湯は、加水、加温なしのかけ流し温泉で、適応症は慢性皮膚病や慢性婦人病、高血圧症など。

酒好きなら一度は訪ねてみたい宿である。

東湯
西湯

『高湯温泉』
吾妻連峰の中腹、標高約750メートルに位置する歴史ある温泉地。開湯は約400年前の江戸時代初期とされ、古くから「奥州三高湯」の一つとして湯治場として栄えてきた。泉質は白濁した硫黄泉で、美肌効果や疲労回復に優れる。2010年、「源泉かけ流し宣言」を発表し、すべての宿が加水、加温、循環を一切行わない100%源泉かけ流しでお湯を提供する。2025年10月現在、高湯温泉には5軒の旅館・ホテルが営業している。

『安達屋』
住所:福島市町庭坂高湯21
電話:024-591-1155
宿泊料金:1泊2食スタンダード1名2万3000円〜、デラックスタイプ1名3万2000円〜(1室2名利用時、消費税・入湯税込)
日帰り入浴:1500円(90分、10時半~14時半、13時で受付終了)

文・写真/野添ちかこ
温泉と宿のライター、旅行作家。「心まであったかくする旅」をテーマに日々奔走中。「NIKKEIプラス1」(日本経済新聞土曜日版)に「湯の心旅」、「旅の手帖」(交通新聞社)に「会いに行きたい温泉宿」を連載中。著書に『旅行ライターになろう!』(青弓社)や『千葉の湯めぐり』(幹書房)。岐阜県中部山岳国立公園活性化プロジェクト顧問、熊野古道女子部理事。

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野添 ちかこ
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