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食べ物の限界値と美味しさに対する判断基準とは

田中さんならではの味に対するユニークな見解を話してくれた。

「ラーメンというのは僕にとって、基本的に上限値が高い食べ物だと思っていますし、他のグルメに比べると圧倒的に種類が多くてバリエーションが豊か。

例えば、塩やしょう油ラーメンはタレの旨さはもちろんですが、多くの場合出汁に着目します。動物系や魚介系などのどんな素材で構成させるのかで味わいの構築が無限にできるため、店主の腕の見せ所ですし、だからこそそれぞれの個性が出ます。また、みそラーメンはどんな味噌をどう使うのか、そして出汁との組み合わせなどが味のバランスを決めていきます。ただし、味噌自体が非常に旨みを持っているからこそ、その中でも突き抜けて美味しい一杯を作るためには相当な技量が必要です。だからこそ、僕はラーメンにとどまり続けられているのかもしれません」

さらに、「ラーメンに対しては、未体験領域が少ない」と話す。

「僕らがいろいろな店を食べ歩いている時、その店の味を判定するのは、味わいや店の系統の上位・下位で判断をしています。例えばA店の鶏白湯を食べに行った場合、Bよりちょっと上でCよりは少し下かなという、それぞれのジャンルにおける指標となるラインがあるということです。我々はいろいろな店のラーメンを食べてきたことで、何百本、何千本というおびただしい数の物差しとなるラインを自分自身の中で確立してきました。それを持っているから、審査ができますし、相対的に美味しいかどうかを一般化した軸の中で測れるのです」

「TRY」の審査員たちはだからこそ、新店でもその物差しを持って測ることができるという。それが審査員たちの共通言語のようになっているということも興味深い。

「なので、ほとんどのラーメンは、ある意味で食べたことがある味の中で美味しいかどうかという判断になります。だからこそラーメンマニアや我々審査員が、今までにない味に出合った時に激賞する理由がわかっていただけると思うんです」

「ラーメンがライフワークになるとは思っていなかった」

ちなみに田中さんの趣味はどんなものなのだろう。

「職業ラーメン評論家ではないですし、対価をいただいているわけではないので、ラーメンは一応趣味になります。そのほかはアニメを見たり、漫画を読んだり、学生の頃はアイドルにハマったこともありました。時計や靴に凝っていた時期もありますし、結構いろいろなことはやっていると思います。でもやっぱりいちばん長く続いているのがラーメンという感じです」

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できるだけ「旨い」という言葉を使わず、魅力を伝える
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市村 幸妙
市村 幸妙

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