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2000年に創設された「TRYラーメン大賞」(通称「TRY(トライ)」)は、ラーメンフリークのみならず、業界からも熱い視線を集める“業界最高権威”の賞だ。長年ラーメンを食べ続けているスペシャリストのTRY審査員と名店審査員の計7人が審査して選んだ各店を、毎年1冊のムック本にまとめて紹介している。2025年12月からはWEBサイトでの展開も始まっている。TRY審査員の尾瀬さん(40)は、会社員として働きながら、日々ラーメンを食べ歩く。ラーメンとの出合いやTRYの審査員になったいきさつ、見つめてきたラーメンを取り巻く環境への思いを聞いた。

(写真提供:尾瀬さん)

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TRY審査員の尾瀬さんが考える、“ラーメンの面白さ”

「ラーメンを18歳頃から食べていると考えたら、すでに食べている期間のほうが長くなりました」

尾瀬さんは1985(昭和60)年、埼玉県生まれ。TRYの審査員では若手に入るが、ラーメンの食べ歩き歴は20年を超える。

幼少期の尾瀬さん(左)。幼稚園の頃から歴史漫画を読み、歴史好きに成長

尾瀬さんは、ラーメンのどこに魅力を見出しているのか。

「食べ物として、定義が非常に曖昧な部分に面白みを感じています。極論ですが、店がラーメンといえば、それはラーメンなんです。しょう油やしお、みそなどのタレも各店で工夫を凝らしているだけでなく、麺の太さや形態もさまざま。そば粉やパスタの原料として知られるデュラムセモリナ粉を混ぜている店や、最近ではもちもち食感になる、もち小麦を使う店も増えていて、麺のバリエーションがとても豊かです。そんなものから出汁を取るのかというものもあり、例えば『一条流がんこラーメン総本家分家四谷荒木町』(東京都新宿区)ではさまざまな素材を使っていて驚きます。去年いただいたのは、深海魚であるアブラボウズを使ったラーメン。こんなふうにラーメンって本当に自由なんです」

『一条流中華そば智颯』(静岡県三島市)ではウナギを使った「鰻15kgの智颯100SP」(1200円)も登場

ラーメンも地方色が出る

歴史好きという一面も持つ、尾瀬さんならではの見解も教えてくれた。

「食文化は地方色が大きく反映されますが、ラーメンも当然、その土地の文化や歴史の影響を受けています。例えば徳島ラーメンのスープには豚骨が使われていますが、なぜ徳島で豚骨なのか。もともとは1942(昭和17)年に創業した徳島食肉加工場が徳島ハム株式会社になり、合併などをしながら現在の日本ハム株式会社となった経緯があります。そのため徳島では、当時から豚をたくさん取り扱っていたことから、豚骨と豚のバラ肉を使ったラーメンができたと考えると、とても興味深いんです」

「札幌のみそラーメンなど寒い土地のラーメンは冷めにくいよう油が張られていることが多かったり、鳥取県や山口県の下松地区、山形県の一部でいただける牛骨ラーメンがあったりと、地域の特色をはらんださまざまなラーメンがあることも面白いと思っています。その土地にあるもので自由に作り出していてバリエーションに富んでいるからこそ、楽しんで食べ続けられています」

年300杯を食べるも、まだ“普通のラーメン好き”

尾瀬さんがラーメンを食べ始めたのは高校生の頃だった。

「通っていた高校の最寄り駅にはたくさんのラーメン店がありましたが、どこかで食事しようとなるといちばん行っていたのが『こってりラーメン なりたけ』(千葉県市川市)です」

「だからと言って、それでラーメンにハマったわけではない」と話す尾瀬さん。それでも、通っていた予備校がラーメン激戦区・池袋に位置していたことから「19歳の時には池袋のラーメン屋さんはひと通り行きました。『屯ちん』や『やすべえ』、『瞠(みはる)』(以上、東京都豊島区)は、しょっちゅうリピートしていました」という。

「ラーメンは種類が豊富であることがわかってきて、大学入学前あたりからはラーメン評論家の石神秀幸さんが出されていた、いわゆる『石神本』などをバイブルとして、意識的にいろいろな店を回り出しました。大学進学後はほぼ毎日ラーメンを食べていましたし、例えばランチタイムに何軒も回るような連食もしていました。その頃には行った店や食べた杯数をカウントし始めていて、年間平均で300杯ほどは食べていました。それでもまだ普通のラーメン好きという感じではありましたね」

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市村 幸妙
市村 幸妙

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