どのチャーハンにも合う味噌ラーメンの高いポテンシャル
ほぼ同時に入店した隣の会社員は、味噌(650円)と半チャーハン(350円)を注文していた。やはりこの店は味噌ラーメンが主役らしい。
1960年代後半から80年代前半にかけて、『どさん子ラーメン』を筆頭に札幌味噌ラーメンのブームが全国を席巻した。おそらくこの店も、その時代の空気を受けて生まれたのだろう。
先に運ばれてきたのはカレー半チャーハン。カレー色に染まった米粒と立ち上る香りが食欲を刺激する。
少し前に『おとなの週末』本誌でカレー煮込みうどんを取材した際に、ある店主は「誰か1人がカレー煮込みを注文すると、その匂いにつられて連鎖的に注文が入る」と言っていたが、カレーチャーハンの感染力も相当なものだ。
具は刻みチャーシュー、ネギ、コーン。見た目は喫茶店のドライカレーに似ているが、強火の中華鍋であおったチャーハンがベースで、別物といっていい。
うれしいのは油が控えめなこと。ギトギト系も嫌いではないが、50代半ばを過ぎると少々つらい。味付けは穏やかで、パラリと軽い食感が心地よい。まさに毎日でも食べたくなる味だ。しかも量が多い。「半」とは名ばかりで、ほぼ1人前のボリューム。単品ならどんな量になるのか気になるところだ。
続いて登場した「味噌チャーシュー」も見事。丼一面を覆い尽くすチャーシューも柔らかくて、濃いめの味付けで筆者好み。チャーシューの下にはもやしがたっぷりと入っていた。写真ではわからないが、麺はやや太めでコシがあり、コクのある味噌との相性は抜群だった。
最近の味噌ラーメンが味噌感を強めているのに対し、こちらはコク重視。子どもの頃に食べた懐かしい味がよみがえる。深いコクのあとにまろやかな塩味が続き、ほのかな甘みが余韻を残す。
その甘みがカレーチャーハンの風味と絶妙に合う。今回は直感で選んだ組み合わせだったが、大正解だった。おそらくどのチャーハンと合わせても、この味噌ラーメンは受け止めてくれるだろう。
次回は気になった「オム半チャーハン」に挑戦したい。
取材・撮影/永谷正樹
1969年愛知県生まれ。株式会社つむぐ代表。カメラマン兼ライターとして東海地方の食の情報を雑誌やwebメディアなどで発信。「チャーラー祭り」など食による地域活性化プロジェクトも手掛けている。




