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チャーハンとラーメンのセット、略して“チャーラー”。愛知で親しまれるこのセットメニューを愛してやまない現地在住のライター・永谷正樹が、地元はもちろん、全国各地で出合ったチャーラーをご紹介する「ニッポン“チャーラー”の旅」。第57回の今回は長野県上田市へ。長野で人気のチェーン店『ラーメン大学』で、珍しい“味噌チャーラー”を食べています。

唯一の本部直営店、上田バイパス店へGO!

2025年8月のある日、この連載の編集担当であるEとともに長野県上田市へチャーラーとは別の取材に訪れた。取材開始まで時間があったため、一緒に昼食を摂ることとなった。

せっかく上田まで来たのだから、ご当地グルメのあんかけ焼きそばや長野ゆえに旨い蕎麦を、というのはフツー。やはり、ここはチャーラーでEとの親交を深めねば。とはいえ、上田市でソソられる町中華やチャーハンを出すラーメン店が見つからなかったのである。

そんなときは地元で展開するローカルチェーンを訪ねるというのが鉄則である。長野県といえば、「最終学歴はラーメン大学」という定番ギャグまで生まれた『ラーメン大学』、通称『ラー大』が有名。県内外にある店はすべてFC店のようだが、ここ上田市にある上田バイパス店は唯一の本部直営店らしい

『ラーメン大学 上田バイパス店』。その名の通り、上田バイパス(国道18号線)沿いにある。広い駐車場も完備していて、ランチ時には多くの客で賑わう
『ラーメン大学 上田バイパス店』。その名の通り、上田バイパス(国道18号線)沿いにある。広い駐車場も完備していて、ランチ時には多くの客で賑わう

実は上田市に向かう途中で何軒か『ラー大』を見かけた。店名ロゴのデザインこそ同じだが、店構えに統一感がなく、どの店も歴史を感じさせる佇まいだった。おそらく、昔のことだからFCの縛りも緩かったのだろう。FC展開というよりも、暖簾分けに近い形だったのかもしれない。

店の前で客を出迎える『ラーメン大学』のマスコットキャラクターの「大ちゃん」
店の前で客を出迎える『ラーメン大学』のマスコットキャラクターの「大ちゃん」

一方、上田バイパス店は建物も比較的新しく、店の前には『ラー大』のマスコットキャラクター、「大ちゃん」がお出迎え。チェーン店らしく、おひとり様は言うまでもなく、カップルやファミリーなども入りやすい雰囲気。

昼のピーク時を過ぎていたため、すんなりと入店することができた。メニューを見ると、味噌や塩、醤油、豚骨、つけ麺と種類も豊富。酸辣湯麺やあぶらそば、名古屋名物の台湾ラーメンと台湾まぜそばもあった。

味噌ラーメンはこってりとあっさりの2種類

寒い地域だからだろうか、味噌ラーメンに力を入れているようで、「こってり濃厚味噌」と「あっさり極旨味噌」の2種類を用意している。こってりはひと回り以上も年が離れたEに任せて、内臓脂肪が気になるお年頃の私はあっさりを注文しようと思ったが、

グランドメニュー。味噌ラーメンに力を入れていることが伝わってくる
グランドメニュー。味噌ラーメンに力を入れていることが伝わってくる

「あっ、『こて味噌ラーメン』(970円)は当店人気No.1って書いてありますよ。じゃ、ナガヤさんはコレをいっちゃってください。ボクはあっさりの『肉味噌ラーメン』(1080円)にします」とE。くぅぅっ、そうきたか。たしかに、原稿を書くのは私である。ここは個人的な好みや事情よりも読者様の利益を優先させようではないか。

グランドメニュー。味噌ラーメンに力を入れていることが伝わってくる
グランドメニュー。味噌ラーメンに力を入れていることが伝わってくる

平日の11時から15時までは「サービスランチ」を実施していて、追加料金で餃子と半ライスやミニ丼をラーメンに付けることができる。その中から「半チャーハンランチ」(380円)も注文した

待つこと7、8分。まず、目の前に運ばれたのが「こて味噌ラーメン」。おや? もっと油で被膜ができるくらいのこってり具合かと思いきや、そうでもない。こってりは味噌の濃度のことを指しているのだろうか。

「こて味噌ラーメン」。たっぷりのもやしとキャベツがのる
「こて味噌ラーメン」。たっぷりのもやしとキャベツがのる

ちなみにメニューには「厳選した信州味噌をたっぷりと使用」とある。愛知県で生まれ育った筆者は、八丁味噌以外の味噌はどうしても甘く感じてしまうのだが、このスープはどうだろうか。

おっ、たしかにほのかな甘みはあるものの、それよりもコクと、たっぷりのもやしやキャベツから染み出した旨みの方がスゴイのだ。たしかにこってり感はあるものの、しつこさは感じられないのは見事だ

濃厚なスープとよく合う太麺は食べ応え十分
濃厚なスープとよく合う太麺は食べ応え十分

麺は濃厚な味噌に負けないようにストレートの太麺。モチモチとしていて、スープとの一体感はハンパない。ただ、麺と具材の量が多すぎて、正直、五十路の筆者にはキツイが、食べ盛りの10代、20代ならこのボリュームに歓喜するに違いない。深夜のラーメン店で味噌バターラーメンの大盛りを食べていた頃が懐かしい。

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濃い目のチャーハンは味噌ラーメンとベストマッチ
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永谷正樹
永谷正樹

永谷正樹

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