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チャーハンとラーメンのセット、略して“チャーラー”。愛知で親しまれるこのセットメニューを愛してやまない現地在住のライター・永谷正樹が、地元はもちろん、全国各地で出合ったチャーラーをご紹介する「ニッポン“チャーラー”の旅」。第55回は、野菜マシマシこってりラーメンにチャレンジ。ブラックチャーハンとのチャーラーは、愛知の腹ペコさん必見です!

野菜増しは300グラムまで無料!

30代の頃は深夜に濃厚な豚骨醤油ラーメンを食べてもまったく平気だったが、年齢を重ねるとともに、こってりとしたラーメンが食べられなくなった。二郎系ラーメンにも挑戦したことがあるものの、もやしとキャベツだけで満腹となり、麺までたどり着かなかった。

名古屋市と岐阜・岐南町を結ぶ国道22号線、名岐バイパス沿いにある『これだ!!製麺 一宮インター店』の前を通りかかったとき、看板に書かれた「京都背脂醤油ラーメン」の文字が目に飛び込んできた。こってり系ラーメンが食べられない自分には縁のない店だと思って通り過ぎた。

『これだ!!製麺』は、2021年、愛知県一宮市小信中島にオープンした本店のほか、尾張地方を中心に4店舗展開している。ここ一宮インター店と今伊勢店は京都背脂醤油ラーメンで本店は濃厚つけ麺、小牧店は肉そばと煮干しそばという具合に店ごとに主軸となるメニューが異なるのが特徴だ。

『これだ!!製麺 一宮インター店』外観。店の裏手に駐車場も完備している
『これだ!!製麺 一宮インター店』外観。店の裏手に駐車場も完備している

何となく気になったので、何日か経ってから食べに行ってみた。

入口から入ってすぐ券売機があり、デフォルトの「特製ラーメン」(850円)を注文することに。店員さんに食券を渡すと、野菜と背脂の量、ニンニクの有無を聞かれた。

麺の上にのるもやしとネギは普通盛りで100グラムあり、野菜マシ(200グラム)と野菜マシマシ(300グラム)が無料とのこと。二郎系ラーメンでの苦い経験が蘇り、普通盛りに。背脂とニンニクはなしにした。邪道かもしれないけど、完食できずに食べ残すよりはマシだ。

味については後で詳しく触れるが、想像していたよりもこってりとしておらず、この注文の仕方が大正解だった。何なら、野菜マシ、いや、野菜マシマシでもイケる気がする。その後も2ヶ月に1回くらい、ガッツリと食べたいときに足を運ぶようになった。野菜も普通から野菜マシ、野菜マシマシへとランクアップ(?)していった。

濃厚な味わいが口の中で炸裂するチャーハン

この日は朝早くから撮影の仕事だった。朝食抜きで現場へ向かったため、仕事が終わった昼には腹ペコだった。

こんな日は『これだ!!製麺』に限ると思い、一宮インター店へ。今までスルーしていたが、ここはチャーハンも提供している。それも京都『新福菜館』を思わせる真っ黒な「ブラックチャーハン」(630円)を。

空腹とはいえ、フルサイズは無理なので、「ブラック半チャーハン」(380円)であれば完食できそうだ。おっ! 「チャーラーセット」の場合、130円引きの250円になるようだ。ってことで、特製ラーメンの「チャーラーセット」をポチッと注文。

卓上のボードで野菜増量について説明
卓上のボードで野菜増量について説明

例によって、特製ラーメンは野菜マシマシ、背脂とニンニクはなしで。店内の長いカウンター席から店員さんが調理している様子を眺めることができる。

チャーハンは注文が入るごとに中華鍋を振っている。店内でカコン、カコンとリズミカルに響く音が心地よく、食欲がそそられる。

まずはチャーハンが運ばれた。店内の照明の影響かもしれないが、そこまで黒くない。それでも他店と比べれば、たしかに色は濃い。

具材には刻みチャーシューと玉子、ネギを控えめに使っている。ついでに言うと、ご飯茶碗に軽く1杯分ほどでボリュームも控え目。でも、野菜マシマシの特製ラーメンとのセットなので、これくらいがちょうどよい。

「ブラック半チャーハン」(380円※麺類とのセットは250円)
「ブラック半チャーハン」(380円※麺類とのセットは250円)

さっきから焦がし醤油の香ばしい匂いで食欲が掻き立てられている。とても我慢できずに頬張ると、濃厚な醤油の風味とともに肉の旨みがドカーンと口の中で炸裂する

味付けはチャーシューを煮込んだタレがベースなのだろうか。それとも専用の調味料を使っているのかはわからないが、いずれにしてもこのチャーハンは、熟練の技術でタレを均一に纏わせたご飯を味わうものであるといえよう。

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もやしと麺をひっくり返す“天地返し”で麺から食す
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永谷正樹
永谷正樹

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