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創業宝暦十年(1760年)の『鳥料理 玉ひで』。日本橋を代表する鳥料理の老舗は親子丼発祥の店としても名高い。進化を続ける名店が新たな逸品を生み出した。

挑戦を続ける姿勢が老舗の暖簾を守る

明治維新に世界大戦、最近でいえばコロナ禍と、幾度となく訪れた大きな時代のうねりを乗り越え260余年。今日も変わらず「玉ひで」の暖簾は揺れていた。

成り立ちは将軍家の御前で鶴を捌く御鷹匠。そのかたわら、大名屋敷などに出向いて軍鶏鍋をふるまったのが商いの始まりだ。

元祖親子丼 2800円(税込)。玉ひでが開発に携わった「東京しゃも」の胸肉とモモ肉を使用。歯応えのある肉質で、脂は少なく噛むほどに旨みがにじんでくる。夜はしぐれ煮や一品料理が付く御膳(5800円)を用意している

節目となったのが明治20年頃。

5代目の女将が鍋に残った割下を卵でとじてご飯と食べる客の姿を見かけ、そこから生まれたのが親子丼だ。いつの時代も新たなことに挑戦し続ける姿勢は8代目・耕之亮さんにも引き継がれている。

彼が大学生の頃から手がけているのが鶏肉の開発。「元祖親子丼」などに用いられる「東京しゃも」は、都の畜産試験場と手を組んで作り上げた味。

4月から始まった新メニュー。川俣シャモの炙り焼き「9500円コース」の一部(税込・夜のみ17時~)。陶板でさっと炙り、塩ポン酢で食す。シンプルな味付けでこの鶏肉の魅力を最大限に引き出している

その評判は広がり福島県・川俣町からも請われ「川俣シャモ」の改良にも着手した。

噛むほどにあふれる旨みは無垢そのもので、夜の品書きに並ぶ小鍋や炙り焼きに使われている。

一級品の素材を秘伝の割下が受け止める

そして4月からメニューに加わったのが、日本初となる肉も卵も烏骨鶏(うこっけい)で作る親子丼なのだ。

親子丼 東京うこっけい(1日10食限定)5500円(税込・夜のみ17時~)。「東京うこっけい」の肉質はしっかりとした弾力があり、力強い旨みを楽しめる。1人前に4個も使用した「東京うこっけい」の卵は、割下を吸い込んできめ細やかな口当たりだ

生産者の伊藤さんと共に飼育法や餌に工夫を凝らし10年かけて味に磨きをかけてきた。

生産者から1羽丸ごと仕入れ、熟練の包丁捌きで切り分けていく

黒い肌が特徴的なそれを頬張れば、頼もしい歯応えから野趣あふれる旨みが滲み出し、卵のクリーミーなコクも膨らんでくる。それを受け止めるのが代々の店主だけが製法を知る割下だ。ヒゲタしょうゆの「本膳」を筆頭に一級品の味醂や砂糖を配合。

具材の存在感を立てつつ、玉ひでの味の記憶を食べ手に刻む。老舗の伝統と革新をこの1杯に詰め込んで歴史は次世代へ続いていく。

昨年11月に建て替えを行いリニューアル。歴史とモダンさを感じさせる新店舗はテーブル席のほか、個室も用意する

店舗概要

店舗内観

[住所]東京都中央区日本橋人形町1-17-10

[電話]03-3668-7651

[営業時間]11時半〜13時半までに列に並べば案内可能、17時〜21時半(20時半LO) ※日は昼のみ。ただし月が祝日の場合は夜営業も行う

[休]無休

[席]全80席

[カード]可

[交]地下鉄日比谷線ほか人形町駅A2出口から徒歩1分

色、味、香りのバランスが整った超特選「こいくちしょうゆ」「本膳」

江戸時代から受け継ぐ醸造技術をもとに開発され、昭和63年に誕生。強い旨みと芳醇な香りを持ち、素材の風味を引き出す「本膳」は、多くの料理人から支持されている。

本膳

●お問い合わせ先/ヒゲタ醬油 お客様相談室 電話0120-144-164

https://www.higeta.co.jp/

文/菜々山いく子、写真/貝塚隆、提供/ヒゲタ醤油

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    おとなの週末Web編集部 山本
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