「喫茶」ではなく「茶亭」を冠する理由とは
店のなかの花々にも注目を。この日、大きな花瓶には丸くかわいらしい白い花が鈴なりに咲いた小手鞠に、黄色の野性的な山茱萸(サンシュユ)の花が舎利木(しゃりぼく)と言われる乾木とともに活けられていた。野にあるように活ける、投げ入れを意識しているという花は、花屋さんではなく、スタッフの人がそれぞれの個性を生かして活ける。
テーブルの上、レジの横、棚の上部とありとあらゆるところにさりげなくある花の数々はどこか日本的な雰囲気だ。「だから茶亭、と店名に付いているんですよ」と寺島さんはにっこりする。
創業時から大切にしてきたのは、茶道の気持ちなのだという。
「季節の花を活け、とっておきの茶器を使い、軒先に水をまいて…と、そんな風にお客様をお迎えしたいのです。なかなか毎日きちんとやるのは難しいところもあるんですが」そう語りながらカウンターで仕事をする寺島さんの迷いなく無駄がない動きは、確かに茶人のようでもある。
お湯の注がれる音、ふわりと漂うコーヒーの香り、こだわりのカップに生命力あふれる花。空間のすべてが羽當のおもてなしだ。時代を経て、さまざまな年代に愛される『茶亭 羽當』。ぜひ一度訪れてみてほしい。
『茶亭 羽當』@渋谷
[店名]『茶亭 羽當』
[住所]東京都渋谷区渋谷1-15-19 二葉ビル2階
[電話番号]03-3400-9088
[営業時間]11時〜23時(22時LO)
[休日]無休
[交通]JR山手線ほか渋谷駅東口から徒歩3分
撮影/西﨑進也 取材/井上 優






