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生地、焼き、所作。ナポリピッツァは職人技を楽しめ!

ナポリピッツァと言えば最初に思い浮かぶのは何だろう?薪窯で焼かれ、中央にはトロトロに溶けたジューシーなモッツァレラとトマトソース、縁はふっくら膨らんだマルゲリータ?いいねえ。

でも実のところ、焼き手(ピッツァ職人)によりこんなに違いがあって、知れば知るほどハマってしまうとは思わなかった!

そこで、深掘り本『ピッツァ職人』著者・井川直子さんを水先案内&推薦人として迎え、その魅力を小生(ライター池田)が探ってみた。

池田(以下池)「早速ですが、最初は吉祥寺にある『ピッツェリアGG』の中村拓巳さん。推しの1枚がマストゥニコーラというのが渋いですね」

井川(以下井)「中村さんの魅力は『焼き』なんです。シンプルなピッツァほど、それを堪能できるので……」

『pizzeria GG(ピッツェリアジージー)』

池「ペコリーノの香りと塩気、確かにシンプルなのに、噛み締めると軽くて生地の旨みがたまらないです」

井「マストゥニコーラは、生地を延ばして、ラードとペコリーノ(羊乳チーズ)、バジリコをのせて焼いたもので、ナポリにトマトが入ってくる以前に生まれた古典的なピッツァなんです」

池「でも、中村さんの『焼き』って何がそんなに違うんですか?」

井「ナポリで数を焼いて身についたネイティブな感じ。窯と向き合って細々考えることなく、狙うべきポイントをピタッと掴むから、勢いがあるんです」

池「もう1枚は試作を続けているというコンテンポラネア。近年ナポリで注目されている”デカ縁”スタイルですね。黄色いトマトの甘さとイワシとオリーブ、口溶けのいい生地でこれも新鮮な旨さ」

井「お店のメニューではないけれど、彼の新しい挑戦が今後どう発展するか楽しみ」

池「お次は小伝馬町『イル・タンブレッロ』、大坪善久さんのマリナーラですが、小麦が焼けた香りに、熱々ジュルジュルのトマトソースが滴るようで、ワイルドでセクシー。いきなりやられました!」

井「マリナーラは、マルゲリータと並ぶ代表的なナポリピッツァ。ふたつのうちどちらかに決めて食べ比べると楽しいし、好みが見つかるのもおすすめです。大坪さんのマリナーラって、確かに官能に訴えるような味わいがありますよね」

池「それとピッツァを焼いている姿がカッコいい。リズムや躍動感があって」

『PIZZERIA IL TAMBURELLO(ピッツェリア イル・タンブレッロ)』

井「色気ありますよねえ。実際、所作のきれいな職人のピッツァはおいしいという法則が(井川調べ)。そこに惚れ惚れしながら出てきたらすぐ食べるのが一番!」

池「『ナポリの街中にあって、イタリア人が食べても違和感のない店にしたい』と仰ってましたけど、雰囲気もいい」

井「ピッツァフリッタ(揚げピッツァ)というストリートフードもおいしいですし。こちらのお店はピッツァを食べるだけじゃない、ちょっとどこかセンチメンタルで、総合的に魅了される空間です」

池「中目黒にある『ダ・イーサ』、山本尚徳さんのピッツァはどうでしょう?」

井「山本さんは、サービス精神があって、楽しませ上手な人。焼き上がりもライブ感抜群で、整い過ぎてないというか、縁や焦げのランダムさもよかったり」

『Pizzeria e Trattoria da ISA(ピッツェリア エ トラットリア ダ イーサ)』

池「曰く、奇をてらったことはしない。ナポリの国民食みたいな昔ながらのピッツァを届けたいそうで、なんか楽しい」

井「紹介しているパンナ・コット・エ・マイスは、生クリームとパルミジャーノにハムとコーンをのせた、ナポリでは子どもも大好きなピッツァ。でも、それを黒胡椒を効かせて大人の味にしてみせる遊び心が山本さんにはあるんです」

池「一方でフレッシュマッシュルームを使ったフンギ(きのこのピッツァ)も、きのこの旨みや香り、トマトの酸味なんかが口の中でジュワーっと溢れ出す。なんかピッツァが軽くて生きている感じ」

井「山本さんはナポリで今は亡き師匠から教わった昔からのやり方をとても大事にしています。例えば木箱に入れた生地をあちこち移動させて、冷蔵庫を使わずに発酵させる手法にも表れています。土台にはそういう愚直さもあるんです」

池「では最後は、溜池山王の『ペルテ』。こちらは、ピッツァをあえてコースとして出す、ナポリピッツァの範疇にとどまらず、次を目指しているお店ですね」

井「鈴川充高さんは、ナポリピッツァ職人世界選手権日本大会のSTG部門で、マルゲリータで優勝もしています。広い意味の”粉好き”で、粉で表現したい人。自分の方法論を探ってきた人です」

池「そのマルゲリータ。焼き上がりが繊細で美しいですねえ。中はジュルルッともっちりミルキーで、確かに生地が旨い」

『PER TE(ペルテ)』

井「軽さで言ったらナンバーワンじゃないですか。生地はミリ単位で延ばして、その中にモチッとカリッを共存させる。生地をどれだけ作り込めるか。粉のおいしさをいかに引き出してやるかで、食べ疲れしないピッツァにしたいそう」

池「いい粉があったら僕はどんどん変えていきますとも聞きました」

井「コースにはプーリアの焦がし小麦を使った、季節の食材を自分で巻くオリジナルのピッツァもあったりして、クレープがヒントだとか。まだまだ進化の途中でやりたいことがいっぱいあると思うから、これからも楽しみです!」

撮影/浅沼ノア、取材/池田一郎

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

※画像ギャラリーでは、絶品ピッツァの画像をご覧いただけます

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