賑やかな銀座に近い緑豊かな住宅街
日本橋の東端。銀座の華やかさを隣に感じつつ、どこか静謐で奥ゆかしい空気が流れる浜町。
この街の顔と言えば、まずは『明治座』だ。歌舞伎から歌謡ショーまでを飲み込むこの芝居小屋は、度重なる焼失や戦禍を乗り越え、東京で最も古い歴史を持つ。
そんなハレの場がある一方で、かつて武家屋敷が連なったという街並みは、今では端正な住宅街へと姿を変えている。その合間に、隣り合う清澄白河のように、感度の高い店がぽつりぽつりと現れて、時代の変化を感じさせている。
しかし、単なる静かな街で終わらないのが、浜町の奥深いところ。
例えば、隅田川に沿って広がる浜町公園は、夏には『中央区大江戸まつり盆おどり大会』の舞台となり、街のムードを一変させる。粋なご近所さんから、感度の高い若者までが入り乱れ、狂乱の宴と化す。それはまさに江戸の祭りが現代に蘇るかのようだ。
時代をつないできたファミリーが描く新たなるチャレンジ『STUDY(スタディ)』
「昔は軒先に縁台があって。おしゃべりをする光景が普通でした」。
そう教えてくれたのは、浜町育ちの店主・佐藤由木子さんだ。 『STUDY』は、30年以上親しまれた『ドイツパンの店タンネ』からリニューアル。
ブックカフェであり、オープンオフィスも兼ねたコワーキングスペースとしても使える。棚に置かれた本は親子三世代の絵本から専門書までのラインナップがユニークだ。
メニューは、タンネ時代の人気のまかないを再現したカレーや焼き菓子など。厳選した国産クラフトビールや中央区の名門『パウリスタ』のコーヒーも揃う。
プレッツェル300円、クラフトビール各種650円〜
家族の歴史は、明治時代の材木商に始まり、東神田から浜町に移って梱包業、ドイツパン、そして現在へ。時代に寄り添いながら街の日常を紡いできた。そして今や姿を消した縁台に変わり、新しい”街の縁台”へと進化したのだ。
店主:佐藤由木子さん(真ん中)、ほかスタッフ「上にはギャラリーも併設。時折テラスで開く、イベントも楽しめますよ」
[店名]『STUDY(スタディ)』
[住所]東京都中央区日本橋浜町2-1-5Haus der TANNE
[電話]080-4584-5080
[営業時間]11時〜20時、火:~17時、土:~18時
[休日]月・日
[交通]都営新宿線浜町駅A2出口より徒歩約5分
※キャッシュレスのみ
海外からも人を呼ぶ、レコードコンビニも『ヤマザキショップ上総屋店』
また、知る人ぞ知る通称『レコードコンビニ』をご存じだろうか?
酒屋からコンビニへ、浜町で百余年を紡ぐ一家の三代目・進藤康隆さんは、なんと現役のDJ。日用品の隣にはアナログ盤が並び、時には進藤さん自らがレコードを回して盛り上がる。
このユニークなコンビニを一目見ようと、海外からのお客さんも。そんな型破りな店がさりげなく潜んでいるのもこの街らしい。閑静な住宅街のふりをして、歩くほどに”面白い”が顔を出す街、それが浜町なのだ。
[店名]『ヤマザキショップ上総屋店』
[住所]東京都中央区日本橋浜町2-55-5
[営業時間]6時半〜0時
[休日]無休
[交通]都営新宿線浜町駅A2出口より徒歩約8分
撮影/西崎進也(ふじ田、otake、STUDY、ヤマザキショップ)、浅沼ノア(かねこ)、取材/岡本ジュン
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
※画像ギャラリーでは、浜町で楽しめる絶品料理の画像をご覧いただけます
※月刊情報誌『おとなの週末』2026年5月号発売時点の情報です。
■おとなの週末2026年6月号は「ビールは旅。」
































