先代が磨いた技をブレずに守る姿勢がかっこいい『鰻 すが原』@中野新橋
このうな重ひとつを完成させるのにどれだけの手間と時間を費やしているか。効率化が求められる時代において真逆の仕事と信念を貫く店。驚くなかれ、蒸しの時間は約2時間!
2代目によると「余分な脂を落とし切ることでうなぎ本来の味わいが出る」のだそう。
となると身崩れしやすいため、通常4本程度の串打ちのところ7~10本も使うのだとか。これぞ先代が半世紀かけて磨いた技、店の流儀である。
身が締まった良質な国産を選び、秀逸な火力の紀州備長炭で焼けばうなぎも喜んでいるかの如く魅力を発揮。舌に乗せるとたちまちほどけ、川魚の滋味があふれてくる。
うな重「に」5940円(お吸い物・お新香・小鉢付)※肝吸い椀は495円

嫌な脂っこさがないので後口も爽快だ。あらかじめ山椒を振って提供するのは最高の塩梅で本来の味わい方を楽しんでほしいから。蓋を開けるや宙を舞う香りの共演がたまらない。
2代目:菅原昌二さん「うなぎ本来の味とおいしい食べ方を楽しんでください」
[店名]『鰻 すが原』
[住所]東京都中野区本町3-14-19
[電話]03-3372-7066
[営業時間]11時~14時(13時半LO)、17時~20時(19時半LO)※売り切れ次第終了
[休日]火・水
[交通]地下鉄丸ノ内線中野新橋駅から徒歩7分
ザラメを加えたタレの美しい照りにそそられる『うなぎ専門店 鮒與(ふなよ)』@代々木上原
昭和のうなぎ屋の美学とでも言おうか。品書きにうなぎ料理しかない真の専門店。初代から60年以上続く、その揺るぎないこだわりと自信がうな重のおいしさに表れている。
うな重:上4600円(お新香付)肝吸200円

うなぎは昔から静岡産。あえて大き過ぎない細めのサイズを選ぶのは「小骨が気にならず、口当たりもいいから」とはこの道およそ40年になる2代目だ。
備長炭でじっくり火を入れたそれはほわっとやさしい柔肌で、炭に落ちたうなぎの脂やタレから立ち上る燻香が得も言われぬ風味となって身に宿っている。
キリリと辛口のタレは甘くならない程度に少々のザラメを加え、艶やかな照りが出るよう考えられた配合。それも先代からの教えだとか。
昭和の佇まいが息づく店はまるで時が止まったかのよう。街に寄り添い、今も近隣への出前を続ける心意気にも何だかうれしくなってくる。
2代目:高木嘉一さん「現在は3代目の息子も店を手伝っています」
[店名]『うなぎ専門店 鮒與(ふなよ)』
[住所]東京都渋谷区上原1-34-8
[電話]03-3467-6231
[営業時間]11時〜14時(13時半LO)、17時~20時(19時半LO)※いずれも売り切れ次第終了
[休日]水・木
[交通]小田急線ほか代々木上原駅南口2から徒歩1分
撮影/橋本真美(宇のじ)、浅沼ノア(はせ川、鮒與)、小澤晶子(すが原)、小島昇(ぞろ芽)、取材/肥田木奈々(宇のじ、はせ川、すが原、鮒與)、編集部・荒川友吾(ぞろ芽)
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