介護施設選びに迷ったら
理想の介護施設をじっくり選ぶことは「最高の最期」への第一歩ですが、簡単にはいかないのも現実。数ある介護施設の中からどれを選んだらいいのでしょうか。
私からの提案は、介護施設に迷った方はまずは「老健」を選んでみること。ここは入所だけが目的の施設ではなく、在宅生活が営めるように支援する施設です。入所を考えるずっと前から使ってほしい施設なのです。
多くの老人介護や老人ホームのハウツー本ではあまり「老健」は取り上げられていませんが、老健という施設は実はとてもお得で便利であるため「誰かが秘密にしているのでは?」と思うほど。
老健とほかの介護施設との違いがよくわからないとおっしゃる方も多いと思います。老健の大きな特徴は、一般的な介護施設とは異なり、病院などの医療機関に近い役割も兼ね備えている点にあります。そのため、施設には常勤の医師がいます。
一般的な有料老人ホームや特養の場合、医師が訪問してくるのは基本的に2週間に1度程度です。それ以外の時間は看護師や介護士がケアを担い、緊急時に医師へ電話相談する形が主流です。
一方、老健には常勤の医師がいるため、週の多くを施設内で過ごし、入所者さんの日々の体調変化にすぐ対応できます(ただし、処方できる薬や検査設備には制限があるため、病院とまったく同じ治療ができるわけではありません)。
また、専門職(理学療法士や作業療法士など)による手厚いリハビリが受けられるのも強みです。寝たきりだった人が、老健でのリハビリを経て再び歩けるようになったケースも珍しくありません。さらに、近年のデータでは、老健での適切なケアやリハビリによって認知症の症状が改善・安定したというエビデンス(科学的根拠)も示されています。



