おかげさまで『おとなの週末』は創刊から25年を迎えました。そこで、創刊した2001年以降にオープンしたお店から本誌スタッフが「未来に遺したいひと皿」をセレクト。編集・ライターそれぞれが、思い思いの料理を挙げました。今回は、編集・和賀かな編。日頃ご愛読いただいているみなさま、そして本誌が歩んできた25年の間に生まれたお店に感謝を込めてお届けします。
編集・和賀かな
その昔流行った動物占いでは、群れることで安心を覚える習性の羊と判定。集団行動をもっとも苦手としているのに、その結果にはうんざりしたもんだ。よくよく考えれば、今回挙げているお店もひとり行動のオアシスであり、お助け処。距離感が絶妙というのも、共通点です。
完全なるミックス技の先にある美しき液体『サンルーカル・バー』@神楽坂「ギムレット」
自分なんぞが未来に遺したいなどと、甚だ恐縮な話でして……。なにしろ『ROZZO SICILIA(ロッツォ シチリア)』のカポナータの品書きには、すでにしかと“永世定番”と刻まれている。
そしてこの永世印は店の開店当初から掲げられていて、未来永劫に続く味を自分たちは伝えていくのだ、という宣誓であり表明と、受け取った。
ねっとりと、そしてギリギリまで焦がしたナスのビタースイートなその妙味を、この先も心してもぐもぐ味わいたい。
変わって『SAjiYA』の「豚スネと豚足~」は、とろとろに煮込まれた豚スネと豚足を巻いて揚げた、艷めかしい春巻き風フレンチつまみ。
グリルピーマンの存在もニクく、例えるなら映画『髪結の亭主』をひと皿で表現したような、なんとも蠱惑的(こわくてき)な一品(=心をザワつかせる美味)。歴史に残るんじゃ?
では真打「ギムレット」を。
ギムレット 1700円

クラシックカクテルの面白いところは、世界共通のレシピが、まずあること。だからこそ、どの銘柄を使うかやどうシェイクするかで、自分の個性を出せる。
ところが『サンルーカル・バー』の新橋 清さんは、出さない。
「ギムレットは、シェイクというテクニカルの表現が凝縮した象徴的な一杯です。なにより、しっかりと混ぜ合わせ、ギムレットという液体の表現を目指します」と。
して、その味わいは、ベースの酒がジンであることを忘れるほどの一体感と爽快感。そこに個は出さないというけれど、新橋さんの人となりは、表れる。
それは永遠に継がれてほしい「人の味」なのです。
『サンルーカル・バー』店主:新橋 清さん
[店名]『サンルーカル・バー』
[住所]東京都新宿区神楽坂6-43 K’s Place102
[電話]03-6228-1232
[営業時間]14時〜23時(22時最終入店、22時半LO)
[休日]月
[交通]地下鉄東西線神楽坂駅1a出口から徒歩すぐ
『ROZZO SICILIA(ロッツォ シチリア)』@白金高輪
[店名]『ROZZO SICILIA(ロッツォ シチリア)』
[住所]東京都港区白金1-1-12内野マンション1階
[電話]03-5447-1955
[営業時間]17時〜23時(料理21時LO、ドリンク23時LO)
[休日]日・月
[交通]地下鉄南北線ほか白金高輪駅4番出口から徒歩10分
『SAjiYA』@代々木公園
[店名]『SAjiYA』
[住所]東京都渋谷区神山町9-17神山ビル101
[電話]03-3481-9560
[営業時間]18時〜21時、BAR TIME21時〜23時
[休日]月、第3火
[交通]地下鉄千代田線代々木公園駅4番出口から徒歩9分
撮影/貝塚 隆、取材/和賀かな
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
※画像ギャラリーでは、編集・和賀が選んだ“蠱惑的なひと皿”の画像をご覧いただけます。
※月刊情報誌『おとなの週末』2026年8月号発売時点の情報です。

■おとなの週末2026年9月号は「ぶっかけと冷やかけ」




