キリッと冷たいツユをまとった蕎麦はやはりキュッと冷たく、口中に涼をもたらしてくれる。具材の旨みで味変させながら、最後で楽しみたい冷やかけ、集めました!
器に広がる涼やかな芸術は夏の風物詩『おそばの甲賀』@六本木
料理を眺めるだけで体温が1℃ぐらい下がりそうだ。万華鏡を覗いたかのような美しいすだちの配列はまさに夏の芸術。そっと箸を差し入れ、モダンな細打ちをつるっと手繰れば柑橘の爽やかな酸味が舌を駆け抜け火照った体が歓喜に震える。もう完璧!
すだちそば2050円 ※すだちの入荷により9月上旬頃まで
が、興奮するのはまだ早い。別添えのもずくを薬味変わりに投入するとプチプチとした食感が追加されてまた一興。く~、降参です。
店主の甲賀宏さんは明治創業の老舗「室町砂場」赤坂店で14年修業し、美食激戦区の六本木で20年ほど前に独立した名手だ。その技と感性は器の中の細部まで注がれる。
蕎麦の実は埼玉県三芳町の農家直送。開業時に数か所の産地から取り寄せて選んだもので、自身が理想とするうぐいす色で粘りも強い味に惚れ込み、今も変わらず使っているそう。石臼で微粉に挽き、ふるいにかけて1日寝かせることで味が落ち着いて打ちやすくなるという。
のど越しのよさだけでなく、もっちりした食感も楽しめるよう外一で打つそれは、噛めば広がる甘やかな旨みと香りが秀逸。徳島産を1個以上使うすだちは口に残らないよう包丁で極薄に手切りしており、本枯節のみのダシを使うツユも上品。
と、ここまで夏の逸品について力説してきたが、『おとなの週末』で異彩を放つもう1品もスルーできない。そう、「ウニそば」。北海道産の上物を乗せた姿は贅沢も贅沢。とろけるウニ&繊細な蕎麦をやや濃いめのツユが橋渡し。両者がこれほど合うとは……落涙。
店主:甲賀宏さん「秋は松茸の蕎麦も名物。季節ごとに楽しめる味を提供しています」
[店名]『おそばの甲賀』
[住所]東京都港区西麻布2-14-5
[電話]03-3797-6860
[営業時間]11時半~14時半(14時LO)、17時15分~19時45分(19時15分LO)
[休日]火・水
[交通]地下鉄日比谷線ほか六本木駅2番出口から徒歩6分
蕎麦ツユの塩味と甘酸っぱいトマトの攻めた調和に脱帽!『手打そば さかき』@浅草橋
夏しか食べられない、ちょっと変わった蕎麦がある。それが「フルーツトマトと海老の冷やしそば」。ジュレに絡めたトマトとエビがたっぷりのせられ、ツユも赤い!口に運ぶと、甘酸っぱいトマトのインパクトがかなり強い。でも、ツユの深い味わいも負けていない。
フルーツトマトと海老の冷やしそば1880円 ※トマトの仕入れにより9月中旬ごろまでの提供
かけ蕎麦には2番ダシを使う店も多いなか、ここは厚削りのカツオ節でしっかり煮出した一番ダシだけを使っているのだ。この主張の強いふたつの味をつなぐのがジュレに加えたお酢の酸味。細めの蕎麦との絡みもよく、トマトの甘みを引き立てる役目も。
攻めた味わいに最初はびっくりするけど、一度食べたら忘れられない。年に1回、これだけ食べにくるお客さんもいるとか。フルーツトマトの仕入れのある9月中旬ごろまでの提供なので、お見逃しなく!
店主:榊原弘順さん「旬を取り入れたつまみに合うようにこだわって選んだ日本酒も自慢です」
[店名]『手打そば さかき』
[住所]東京都台東区浅草橋4-10-2稲垣ビル1階
[電話]03-4285-1192
[営業時間]11時半~14時(13時半LO)、17時半~21時(20時LO)
[休日]月の昼・水・木
[交通]JR総武線ほか浅草橋駅西口から徒歩2分






















