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山口県岩国市は、れんこんの有名な産地です。その名産「岩国れんこん」からは多彩なラインアップが展開されていますが、中でもクッキーの「れんこん玉」はコロナによるフードロス対策から生まれた注目の新商品です。

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岩国藩主「吉川家」が喜んだ

岩国れんこんの歴史は、江戸後期にさかのぼります。文化8(1811)年に岩国藩の藩営で、れんこんの栽培が盛んになりました。岩国市によると、れんこんの穴はだいたい8つといわれますが、岩国れんこんは主に9つだそうです。岩国藩主の吉川家の家紋が蛇の目九曜で、切り口が似ていることから、藩主が喜んだという逸話が伝わっています。

れんこんの食感といえば、シャキシャキが一般的ですが、岩国れんこんはモチモチ。切ると、粘りがあって糸を引くのが特徴です。

コロナで余った「れんこんチップス」を使って……

岩国れんこんを素揚げした「れんこんチップス」は、地元の池本食品の人気商品です。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で販売にブレーキがかかります。JRの駅売店や道の駅、空港の売店などで購入できますが、人の流れが停滞したのが大きな要因です。

「れんこん玉」(プレーン)

「コロナで売れなくなって、れんこんチップスが余ってしまいました。国産のれんこんはすごく値段が高く、もったいないので、何かできないかと考えたのがこの『れんこん玉』です」

池本食品の清水喜江代表取締役は、商品化の背景をこう話します。2020年6月ぐらいから3~4カ月かけて試作を重ね、秋には、くだいたれんこんチップが入った米粉クッキーができあがりました。味は、「プレーン」「ココア」「チーズ」の3種類。清水さんによると、岩国れんこんのチップを15%も練り込んだ贅沢な一品とのこと。パッケージデザインの選定などを経て、満を持して売り出されたのが2021年2月のことでした。

サクサクの米粉クッキー、カリカリのれんこんチップ

「山口うまいものフェア」で紹介された「れんこん玉」

「れんこん玉」を知ったきっかけは、東京・日本橋にある山口県のアンテナショップ「おいでませ山口館」です。店内で「山口うまいものフェア」(4月16日~5月15日)が開催されており、新商品として紹介されていました。買えるのはフェアの期間中のみ。3種類の味が並んでいましたが、岩国れんこんの味わいを強く感じたくて、「プレーン」を購入(おいでませ山口館の店頭価格は税込み388円、フェア期間中10%OFFで349円)しました。

サクサクとカリカリの食感が楽しめます

円形の1粒の大きさは直径2・5センチほど。パッケージに「サクサク米粉クッキー」との表記がある通り「サクサク」の食感です。かむと、サクっとした後に、ホロっとくずれる感覚です。岩国れんこんのチップをふんだんに使っているだけあって、サクサクの中にれんこんの「カリカリ」感がいいアクセントになっています

味は、自然なやさしい甘さです。食べていると、含有されているわずかな塩分を感じて、甘さが引き立つ瞬間があります。全体的に上品な味わいで、クセがありません。

巣籠生活のティータイムに

コーヒーを用意します

このクセのなさは、味の濃い飲み物に合いそうです。ペーパードリップで淹れたコーヒーを試してみました。クセがないので、コーヒーの味や香りを邪魔しません。清水さんによると、「チーズやワインにも合いますよ」とのことでした

「おいでませ山口館」は緊急事態宣言で、臨時休館中

東京、大阪など4都府県に緊急事態宣言(4月25日~5月11日)が出されました。実は、「おいでませ山口館」は、これを受けて臨時休館しています。ただ、れんこん玉は、ネット通販でも買うことができます。れんこんは、食物繊維が豊富でヘルシーな食材です。コロナの巣籠期間中、自宅でのティータイムで、コーヒーや紅茶のお伴に、もしくは、ワインと合わせて楽しんでみたい一品です

巣籠生活で、「れんこん玉」とコーヒーを楽しむ

「池本食品」の企業情報

業務用食品や加工食品、割烹料理食材、海産珍味を扱う食品卸業会社。岩国れんこん関連では、他に「岩国蓮根肉味噌」「岩国蓮根麺」など。

[住所]山口県岩国市三笠町3-9-7
[電話]0827-21-2054

撮影・文/堀晃和

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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おとなの週末Web編集部 堀
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