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21歳のユーミンは言った「私ね、音楽評論家って嫌いなの」その真意は… 音楽の達人“秘話”・松任谷由実(1)

21歳のユーミンは言った「私ね、音楽評論家って嫌いなの」その真意は… 音楽の達人“秘話”・松任谷由実(1)

『おとなの週末Web』では、グルメ情報をはじめ、旅や文化など週末や休日をより楽しんでいただけるようなコンテンツも発信しています。国内外のアーティスト2000人以上にインタビューした音楽評論家の岩田由記夫さんが、とっておきの秘話を交えて、昭和・平成・令和の「音楽の達人たち」の実像に迫ります。今回から取り上げるのは、“ユーミン”ことシンガー・ソングライターの松任谷由実。今も胸に残る初対面の時の言葉とは…。

perm_media 《画像ギャラリー》21歳のユーミンは言った「私ね、音楽評論家って嫌いなの」その真意は… 音楽の達人“秘話”・松任谷由実(1)の画像をチェック! navigate_next

没にされ続けたユーミンの特集企画

松任谷由実(以下ユーミン)と初めて会ったのは、アルバム『COBALT HOUR』(コバルト・アワー)が発売された年、1975年だった。その頃のぼくはまだ署名原稿を書く直前で、講談社の女性週刊誌「ヤングレディ」のライターをしていた。

いわゆる“ザ・芸能界”が主流の時代で、盛んになりつつあったニュー・ミュージックは、「ヤングレディ」の記事にはなりにくかった。それでも将来、ザ・芸能界由来の音楽にとって代わって、ニュー・ミュージックが音楽シーンの主流になると信じていたぼくは、企画会議の度に、ニュー・ミュージックがらみの記事を企画・提案しては没にされていた。

1974年秋のセカンドアルバム『MISSLIM』(ミスリム)がそれなりのヒットになった。そこで懲りずに、ユーミンの特集記事を企画会議に出した。1973年秋のファースト・アルバム『ひこうき雲』を聴いた時から、この人は凄いと思っていたので、仕事にかこつけては何としてもユーミンと会ってみたかったのだ。しかし、この企画も当然のごとく没となった

翌1975年は、ぼくが署名原稿を書き始めた年だった。取材に出るという目的で、ぼくは熱心にレコード会社を訪ねていた。本当は歌謡曲のセクションを回らなければ、ニュースは拾えないのだが、ぼくは洋楽部やニュー・ミュージックのセクションを主に多く訪問した。その時代に出逢った日本のレジェンドとも言えるA&Rマンの方々が、署名原稿を書けるように、ぼくを導いてくれた。

署名原稿が書けるようになったものの、それだけではまだ食べていけないので、1975年いっぱいはヤングレディに籍を置かせてもらっていた。ユーミンはその年6月、サード・アルバム『COBALT HOUR』を発表し、前作以上のヒットを記録していた

ユーミンの名盤の数々。アルバムの総売上枚数は3000万枚以上を誇る

ユーミンと初対面、最初の言葉は「岩田さんって、音楽評論家ですか?」

あと2、3本、連載原稿が増えたらヤングレディを辞めるつもりだったので、企画会議ではニュー・ミュージックがらみのものばかり提案し続けた。『COBALT HOUR』がかなりのヒットとなったので、巷でもユーミンの名が広まりつつあった。ヤングレディ編集部にもユーミンの名は届きつつあった。編集部も重い腰を上げ、芸能ニュースのコーナーでユーミンを取り上げてくれることになった。やった!ついにユーミンと会えることになったのだ

ユーミンの記憶ばかりが強烈で、初めて会った場所を正確に覚えていないのだが、赤坂は溜池にあった東芝EMI(当時)のスタジオだったと思う。緊張はしていなかったけど、21歳のユーミンを妹のようにずっと思っていた25歳のぼくだった。

ユーミンの挨拶後の初めての言葉は、“岩田さんって、音楽評論家ですか?”というものだった。“いや、音楽ライターになりたいけど、評論家じゃない。ちゃんとした評論をするなら、小林秀雄じゃないけど、皮を切らせて骨を断つぐらいの心意気が必要と思うんだ”

それを受けてユーミンは言った。

“私ね、音楽評論家って嫌いなの。音楽の現場を知らないし、演奏もしないの、あれはいい、これは駄目って、それって評論じゃないと思うのよ。どんな録音現場でも、それが評論家がくだらないと言う曲の現場だって、皆、一所懸命に演ってるの。それをほぼひと言で、良い悪いなんて、物作りを知らない人の傲慢だと思うの”

「この人は自分の歌を自力で歌うのが一番だと思えて来たんだ」 音楽プロデューサー・村井邦彦の言葉

それから長い間、この言葉はぼくにとって大切なものとなった。何か音楽シーンに疑問は提示しても、余程のことが無い限り、誰かを標的にしない。あるミュージシャンや音楽作品を取り上げる時は、肯定的な意見だけを述べるようにして来た。

後にユーミン育ての親である村井邦彦氏から、無名時代の彼女の話を聴いた。“とにかく懸命に音楽を作っていた。神々しいくらいに。最初はいわゆる作曲家向きだと思っていたけど、音楽を作っている彼女の姿を見て、この人は自分の歌を自力で歌うのが一番だと思えて来たんだ”

無名時代から音楽に一所懸命に取り組んでいたユーミン。だからこそ、すべての一所懸命にやっている人に熱いエール、“簡単にひと言でけなさないで”を送ることができたのだろう。

2012年発売の『日本の恋と、ユーミンと。』は、デビュー40周年記念ベストアルバム

岩田由記夫

岩田由記夫

1950年、東京生まれ。音楽評論家、オーディオライター、プロデューサー。70年代半ばから講談社の雑誌などで活躍。長く、オーディオ・音楽誌を中心に執筆活動を続け、取材した国内外のアーティストは2000人以上。マドンナ、スティング、キース・リチャーズ、リンゴ・スター、ロバート・プラント、大滝詠一、忌野清志郎、桑田佳祐、山下達郎、竹内まりや、細野晴臣……と、音楽史に名を刻む多くのレジェンドたちと会ってきた。FMラジオの構成や選曲も手掛け、パーソナリティーも担当。プロデューサーとして携わったレコードやCDも数多い。著書に『ぼくが出会った素晴らしきミュージシャンたち』など。 電子書籍『ROCK絶対名曲秘話』を刊行中。東京・大岡山のライブハウス「Goodstock Tokyo」で、貴重なアナログ・レコードをLINNの約350万円のプレーヤーなどハイエンドのオーディオシステムで聴く『レコードの達人』を偶数月に開催中。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
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