薬医門は寛永年間(1624~1631)、本堂は慶長4(1599)年の建築。格式の高い門跡寺院で婚礼前撮りでも人気のお寺。
小野小町が顔を洗ったと伝わる「化粧(けわい)の井戸」。今も水が湧いている。
百人一首でも知られる美女・小野小町の伝説が詰まったお寺だけに、絵馬も薄紅の色の板に小野小町が描かれる。
本堂裏手の竹林の中に建つ「小町文塚」。小野小町が草深少将をはじめとする当時の貴公子たちから寄せられた恋文を供養したと伝わる。
要望が多いため「極彩色梅匂小町絵図」は常時撮影OK。院内の襖絵は基本的に撮影不可となっている。
「伝承の図」で描かれた隨心院。薬医門の前には梅園があり、襖には毎年3月に行われる「はねず踊り」も描かれ、現代とリンクする。
『だるま商店』は極彩色で影絵のような画風が特長。熊野古道をテーマにした曼荼羅絵や、祇園の都おどりなど、歴史や伝統を題材に、徹底的に調査・分析して往時を描き出す。
格式の高い客を迎える表書院では「四季花鳥図」や「四愛図」など、狩野永納の時代に描かれた金箔まばゆい襖絵が。
奥書院は4間があり、「竹虎図」などそれぞれ趣の異なる襖絵を見ることができる。「賢聖の図」は御所から賜ったと伝わる。
獅子のほか鶴やにわとりの杉戸絵も。現在も板戸として使用されている。
寝殿造りの本堂は慶長4年(1599)の建立。1年程度の修復期間となり立ち入り禁止になるとのこと。
三千院、妙法院と並び、天台宗総本山比叡山延暦寺の三門跡のひとつ。拝観入口右手の長屋門と四脚門は明正天皇の中和門院の旧殿の門を移築したもの。
仏教絵画史の名品と言われる国宝「絹本着色 青不動明王二童子像」を所蔵(通常は非公開)。名庭園や境内の青いライトアップでも知られる。
樹齢800年。クスノキの巨木は境内の宸殿前に1本、神宮道で4本が並ぶ。
目的の襖絵は和紙・鳥の子紙に現代の画材であるアクリル絵具を使う。鮮やかな発色に目を奪われる。
華頂殿の庭園を臨む大広間に蓮を描いた襖絵が広がる。もともとは唐紙という紙に木版でお寺の紋を手刷りした襖だったそう。「青の幻想」が描かれた間。
「極楽浄土には池があり、赤青黄白の蓮が咲く」と記された阿弥陀経の世界を表現した「極楽浄土」。
三十六歌仙が飾られる華頂殿の入口。入ってすぐが、生き物たちが躍動する「生命賛歌」。
青蓮院門主の希望もあり、座って鑑賞することを前提に絵の高さが抑えられる。いまにも畳にでてきそうなカニ。
躍動感いっぱいのカルがあちらこちらで跳ねる。子供たちの目線だからこそ見つけられるものがあるかも?
カメもリアルな姿でひょっこり現れる。庭へ出て、池に飛び込むのかなぁ……。
金色に輝くトンボ。蓮の葉や花の間で暮らす水辺の生き物たちが生き生きと描かれる現代の襖絵。もちろん触るのはNGですよ。
「襖絵には阿弥陀経に表される極楽浄土の世界観が描かれています」と執事・岡島秀樹さん。
杉戸絵に描かれた祇園祭の山鉾。今年は3年ぶりに祇園祭も開催されたが、往時の雅な雰囲気を感じる。(※許可を得て撮影しています)
重要文化財「濱松図」。宸殿と小御所にはこうした多くの歴史的な襖絵がある。(※許可を得て撮影しています)
孔雀の障壁画は日本画家の黒田正夕によるもの。宸殿から続く大玄関の大作「日月松桜百鶴図」も見応えあり。(※許可を得て撮影しています)
華頂殿から眺める相阿弥作の庭は圧巻の美しさ。お抹茶をいただきながら眺める夏の庭。しばし暑さも忘れる時間。
表方丈庭園にある杉戸絵「白象図」。江戸の当時、果たして本物の象を見たことがあったのか。真相は不明ですがなかなか写実的な作品。ふくよかで幸せな印象。
開山夢窓国師の木像を安置する開山堂の杉戸に描かれた「芭蕉小狗子図」。円山応挙は仔犬たちを何度も描いている。
相国寺法堂は1605(慶長10)年建立。現存する法堂建築では最古のもの。狩野光信(1565〜1608)筆となる、龍の名で有名な蟠龍図が天井に描かれる。
相国寺方丈は初建以来幾度となく焼失。現在の建物は1807(文化4)年の再建。
数多くの歴史的な襖絵を見ることができる。