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ひたちなか海浜鉄道であんこう鍋&駅猫&多彩な車両を楽しむ/2012~2016年

茨城県のひたちなか海浜鉄道は、常磐線に接続する勝田駅から海岸に近い阿字ヶ浦駅までを結ぶ、電化されていないローカル線です。
この鉄道は、もともと茨城交通の路線でしたが、現在は第3セクター鉄道として営業しています。
まずは、ちょっとだけマニアックな話にお付き合いください。
この鉄道の魅力のひとつは多彩な列車が走っていることです。
現在の主力車両はグリーンとアイボリーのキハ3710形、きれいなデザインの車両です。
ちなみにこの形式は、那珂湊(なかみなと)から“みなと“=3710だそうです。

[主力の車両はキハ3710形(2012年撮影)]

JR東海で走っていた小さなディーゼルカーも3両走っています。
色合いは、JR東海で走っていたままのオレンジとグリーンのラインです。
現在では、元のJR東海にはなくなってしまった車両なので貴重です。

[JR東海から来たキハ11(2016年撮影)]

少し前までは、鉄道ファンに人気のある国鉄型車両も4両走っていました。
4両とも色が違っていて好きな車両だったのですが、特に好きだったのがキハ2004とキハ2005。
ともに床が板でできていて、懐かしさにあふれた旅のできる車両でした。
残念ながら2015年に引退。
キハ2005は、終点の阿字ヶ浦駅に飾られています。

[昔の準急色と呼ばれる色合いのキハ2004:現在運転終了(2012年撮影)]

[急行色のキハ2005:現在運転終了(2012年撮影)]

[キハ2004の車内。板張りの床とブルーのシートがレトロ(2012年撮影)]

4両のうち3両は引退してしまったのですが、1両だけ現存しています。
ただし、普段の列車には使われず、イベントなどのときに走るそうです。
乗ってみたい方は、ひたちなか海浜鉄道のホームページなどでご確認ください。

[現存している旧型ディーゼルカー(2012年撮影)]

『ネコの駅』那珂湊駅は、鉄マニアもネコマニアもチェックすべし!

ひたちなか海浜鉄道の途中駅、那珂湊駅はネコの駅として有名です。
駅猫の名前はオスの“おさむ”とメスの“ミニさむ”。
“おさむ”の名前の由来は、「黒猫のタンゴ」の歌手皆川おさむさんからいただいたとのことです。

[那珂湊駅のホームには、こんな掲示も(2016年撮影)]

[黒いほうか“おさむ”、トラが“ミニさむ”。とにかく仲がいい(2012年撮影)]

[気が向くと「駅の巡回」に出発(2015年撮影)]

この駅の駅名板もネコデザインです。

[駅名板もネコデザイン(2016年撮影)]

[もちろん普通の駅名板もある(2012年撮影)]

そして、旅のメインテーマ。那珂湊の新鮮な魚に舌鼓!

さて、那珂湊といえば“おさかな市場”。
那珂湊駅から歩いて10分ほどの海沿いにあります。
食事の店が7軒と海産物販売のお店が5軒と店数は少なめなのですが、それぞれ規模も大きくて広い市場です。

[那珂湊の“おさかな市場”(2012年撮影)]

[城内には、新鮮な魚が並んでいる(2012年撮影)]

年末に行ったときには、すごい混雑でした。
だいたい那珂湊駅前も市場に向かう車で渋滞。
確実歩いたほうが早く着きます。
広い市場も活気づいていました。
お店に入ると、もちろん冬の名物、あんこうが並んでいます。

[市場に並ぶあんこう(2016年撮影)]

なかなかの怖い顔です……。
よく見ると、頭の上にはちょうちんも。
そして今回の旅の目的、あんこう鍋のお店に入ります。
まずはあん肝、濃厚でたまりません。
1杯目のビールをさっさと切り上げて日本酒です。
日本酒といっしょにすると最高、今回ばかりは電車で来てホントによかった。

[まずは、あん肝から(2016年撮影)]

そして、お待ちかねのあんこう鍋。
くつくつと煮えたところで食べ始めます。
あん肝を溶いた濃厚なスープに、淡白でぷるんとした上品なあんこうの身。
締めの雑炊まで一気にいただきました。
あんこうの漁期は夏以外とけっこう長いのですが、市場の食堂でのあんこう鍋は11月~3月です。
やはり寒い時期がおいしいのですね。

[おさかな市場で食べたあんこう鍋(2016年撮影)]

今回の那珂湊は友人と出かけたので、家でも食べたいと思い、あんこうのぶつ切りを買ってきました。

翌日家で調理です。
あんこうをぶつ切りにして、塩を振ってお湯に通して……。
あん肝バターで炒めて、出汁をとり、調味料を入れて……。

[家では、みそ仕立てを作ってみました(2016年撮影)]

あん肝のコクと、バターの隠し味で濃厚なスープになりました。
ただし、鍋としてはちょっと手間がかかって、年末向けの料理ではないかもしれません。
忙しい年末のあんこう鍋は、やっぱりあんこう鍋はお店で食べるのがおススメです……。

佐々倉実(ささくら みのる)
 鉄道をメインにスチール、ムービーを撮影する“鉄道カメラマン”、初めて鉄道写真を撮ったのが小学生のころ、なんやかんやで約50年経ってしまいました。鉄道カメラマンなのに撮影の8割はクルマで移動、列車に乗ってしまうと、走るシーンを撮影しにくいので、いたしかたありません。そんなワケで年間のかなりの期間をクルマで生活しています。趣味は料理と酒! ヨメには申し訳ないのですが、日々食べたいものを作っています。
 鉄道旅と食の話、最新の話題から昔の話まで、いろいろとお付き合いください。
 ちなみに、鉄道の他に“ひつじ”の写真もライフワークで撮影中、ときどきおいしいひつじの話も出てきます。なにとぞご容赦ください。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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