その進化がとどまることない「サバ缶」。2022年の春も、度肝をぬくようなコンセプトのサバ缶が登場している。そんな「春の新作サバ缶」をご紹介!
「肉系」サバ缶の進化形! 中華の定番をサバで再現
「油淋さば」信田缶詰
昨年、「サバの干物」を使った斬新なサバ缶「鯖とば燻製風味」を作り上げた千葉県銚子市「信田缶詰」から、またまた攻めた商品が登場した。
その名は「油淋さば~揚げサバの香味ソース仕立て」。なんと、中華の定番「油淋鶏(ユーリンチー)」をサバで再現してしまったのだ。
「多彩なサバ缶が登場している今、取扱店のベーシックなサバ缶の反応がいまひとつ、という状況が続いておりまして……」と語るのは、開発にも携わった営業部の小林俊之さん。鯖とば燻製風味に続く、画期的なサバ缶を思案する日々が続いていた。
そんなある日、開発チームの女性メンバーが、他社にない味付けとして、「油淋鶏」のタレをベースにした調味液を発案。「わたしも地元の中華料理店でよく油淋鶏を食べていたので、サバで作ったらイケるのでは! と確信して開発を進めました」(小林さん)
揚げた鶏肉に長ネギなどが入った醤油ベースの甘酸っぱいタレをかけた油淋鶏。サバ缶では珍しい「揚げたサバ」を使う必要があるものの、信田缶詰のベストセラー商品である「サバカレー」で、すでに使用済み。
培ってきた「揚げの技術」をベースに、タレを工夫。玉ネギ、しょうが、ニンニク、醤油、酢、ゴマ油、砂糖をブレンドした特製の香味ダレに揚げたサバを漬け込んでサバ缶を完成させた。
缶詰は加熱すると、酸味がとびやすい。「酸味を残し、ゴマ油をほどよく利かせる塩梅に試行錯誤しました」と小林さん。
しかし、そこは1905(明治38)年創業、缶詰づくりに高い技術をもつ信田缶詰。「最高の自信作です」と小林さんは胸を張る。
油淋さばを開缶すると、タレがしみた衣に包まれたサバが登場!
食べてみると……。これがもう、激ウマ! 玉ネギやしょうが、ニンニクが利いた甘酸っぱいタレが、こんがり揚がったサバにジュワッとしみて絶品! タレの絶妙な味付け、またもろっとタレが染み込んだ衣の感じがたまらない~。もちろん国産サバの旨みもキッチリ堪能できる!!
正直、「缶詰感」はゼロ。さらに町中華というより、気の利いた小料理屋さんの一品的なレベルである。
そして、ビールがすすむ!! おつまみに最高だけど、甘さも辛さも程よいので、お弁当に入れてもよさそう。あと、「サバの南蛮漬け」が好きな人は間違いなくノックアウト!
それにしても「缶詰」で「揚げたサバ」を使用して、こんなに効果的に「タレがしみた」衣の演出や酸味が活かされてるって何事!? と動揺すら覚えるジェンヌ。これからは、油淋鶏はサバでいい !!
小林さんのおすすめの食べ方は「冷やし中華」にトッピング。ということで、やってみました!
ひゃ〜、これ、めっちゃアリですよ! 油淋さばを冷やし中華のタレにちょいしみさせて「追いタレ」し、からしを漬けてかじるもよし(からしが合います)、お箸でほぐして麺や具といっしょにグワーっと混ぜて、ずるずるとすするもよし。「油淋さばの冷やし中華」、この夏の定番に決定!!