銭湯のでかい湯船に浸かって温まれば、何ともいえない心地よさ。ふらり立ち寄り、極楽時間を過ごしたら、今度は銭湯やその周辺でちょいと至福の一杯を。東京に残る銭湯約450軒の中から、そんな楽しみが待つ、銭湯を厳選して紹介します。
『東京浴場』 @西小山
湯に浸かって寛いで 西小山に蘇った街の憩いの場
[住所]東京都品川区小山6-7-2
[電話]03-6421-5739
[営業時間]5時~12時、14時~翌2時
[休日]火
[交通]東急目黒線西小山駅から徒歩1分
ぬる、熱、水の交互浴で、心も体も癒される
湯に浸かる前、まずはロビーが心地よい。壮大な書棚にマンガや本がびっしり。読書スペースでマンガに読みふける人。駄菓子コーナーをじっと見つめる子ども、ベンチでジョッキを傾けるお父さん。みんながくつろぐ居間のようだ。
西小山で60年以上営んでいた「東京浴場」が閉業したのは、2019年6月のこと。またひとつ名銭湯が消えた……ところが2020年7月、『東京浴場』は復活した。蘇らせたのは、銭湯代行業のニコニコ温泉株式会社。「また銭湯をやってくれてありがとう」。スタッフは、たくさんの地元の方々からお礼を言われたという。
湯は、「ぬる湯」と「熱湯」。そして、井戸水を汲み上げた「樽水風呂」だ。これらに交代で浸かるのが「東京浴場流交互浴」。これ、ほんとに気持ちよい。2度繰り返すと、コリも取れて体がふわっと軽くなったよう。ロビーに戻れば「あら、久しぶり」なんて声を掛け合う常連さんたち。銭湯は単にお風呂に入るだけの場ではない。みんなの憩いの場なんだなあと、湯上りビールをプハ~っとしながら思う。