旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■クイズの答えは……
正解:ふき
難易度:★★☆☆☆
アク抜きが大変……でも、美味しい!!
ふきは全国、幅広い地域に自生している山菜で、天然のふきは地域によって異なりますが、4月~6月あたりまでが旬といわれています。ハウス栽培されたものも多く流通していて、栽培ものの出荷時期は、10月~翌年の5月にかけてとなります。
ふきのとうが大きくなるとふきになると思ってはいませんか? 実は、ふきのとうとふきは同じ植物です。しかし、ほかの植物とは異なり、ふきのとうが成長するとふきになるわけではありません。
ふきの花の蕾であるふきのとうは伸びきった後に完全に枯れてしまいます。そしてその後にふきのとうと地下茎でつながっていたふきが姿を現すのです。
ふきには茎と葉っぱがあるように見えますが、茎に見える部分も葉柄(ようへい)と呼ばれる葉の一部なのです。茎は地下に潜ったまま地表に姿を現すことはありません。つまり、私たちが食べているのはふきの葉の部分のみということになります。
ふきは非常にアクが強いため、調理をする前に水にさらしたり、板ずりをして、さらにその後に下ゆでをしてアク抜きをすることが必要となります。アク抜きをしなくてはエグみが強すぎて食べることはできないのです。
また、収穫してから時間が経つとともにアクが強くなっていくため、収穫後はできるだけ早くアク抜きをすることが必要です。
これはハウス栽培のものでも同じ。そのため、スーパーで売られている栽培ものも、できるだけ鮮度の良いものを選ぶことが大切となります。すぐにアク抜きができない場合は、葉と葉柄の部分を切り離して、冷蔵庫で保存しましょう。
ふきはまとめ売りされていることが多いため、食べきれないことも多いと思います。そんなときは、まとめて下ゆでして皮を剥いて保存しましょう。保存するときは水につけたままで。毎日水を取り替えれば、冷蔵で5日間ほどは保存することが可能です。
アク抜きは食味のためだけではありません。
ふきやふきのとうにはピロリジジンアルカロイド類という天然毒が含まれていますが、アク抜きをすることで大幅に減らすことができるのです。
毒といわれるとふきを食べるのが怖いと感じるかもしれませんね。しかし、ピロリジジンアルカロイド類が原因と疑われる健康被害の報告はありません。農林水産省でも、ふきはアク抜きをすれば、安全に食べることができるとしています。
ふきは調理をしても独特の香りをしっかり感じることができるのが特徴です。きゃらぶき(佃煮)、おひたし、煮物や炒め物など、さまざまな料理に活用して、ふきの香りを楽しみましょう!