あらかじめ言っておくが、筆者はスイーツに詳しくない。そもそも家族の誕生日かクリスマスくらいにしか食べない。そんなスイーツオンチの筆者が驚愕したイタリアンジェラートがある。
2023年9月16日、名古屋・栄の『BAUM HAUS EAT(バウムハウス イート)』内にオープンした『Badiani(バディアーニ)名古屋栄店』がそれだ。
伊・フィレンツェ発「ブォンタレンティ」の名を冠したミルクジェラート
『Badiani』はジェラートの本場、イタリア・フィレンツェで1932年に創業。今もなお多くのジェラート好きが足繁く通う、地域に愛される名店として知られる。
現在、イタリアに3店舗、イギリスに14店舗、スペインに6店舗、フランスに1店舗展開している。日本には今年7月、アジア初出店となる神戸元町店がオープン。さらに2店舗目に京都高台寺店が開店し、ここ名古屋栄店が3店舗目となる。
『Badiani』の名物が「Buontalenti(ブォンタレンティ)」というクリームと牛乳、砂糖、卵をメインに使ったシンプルなミルクジェラート。ちなみにその名称は、ジェラートの起源に由来する。
ジェラートが誕生したのは、メディチ家が活躍した16世紀。それまで氷を使ったデザートはあったものの、氷点下でしか固まらないミルクや砂糖を使ったものはなかった。
そんな中、メディチ家が抱えていた舞台デザイナーや建築家、演劇デザイナーなどさまざまな才能を持つベルナルド・ブオンタレンティ氏が、氷と塩を使って初めてクリーミーでなめらかなデザートを誕生させた。
1960年代にはブオンタレンティ氏の功績を讃えるジェラートのコンテストがあり、市内の職人たちは皆、彼から影響を受けた品を出品したという。
『Badiani』はブオンタレンティ氏が考案したレシピに基づいたミルクジェラートを出品し、フィレンツェの人々を魅了した。出品したミルクジェラートは「Buontalenti(ブォンタレンティ)」と名付けられ、今日まで長く愛され続けている。