世界有数の規模を誇るカルデラの中に人々が生活する熊本県阿蘇市。大自然を舞台に数万年以上にわたって人間の生活が繰り広げられ、広大な草原を主とする特有の景観が育まれてきた。このエリアで人気の絶景スポットと言えば、「大観峰」だ。秋から冬にかけては、「阿蘇五岳」や「九重連山」とともに、幻想的な雲海を望むことができる。そんな美しいパノラマビューが楽しめるスポットと、草原の中に特別な許可を得て設けられたエキゾチックなアウトドアダイニング。今回は阿蘇ならではの自然と共に非日常に浸る、旅のモデルコースをお届けしたい。
6席しかない特等席でプライベート感抜群の草原BBQ
阿蘇空港から車で約50分。標高約900mの「大観峰」の麓に位置する「阿蘇草原保全活動センター」に集合後、送迎車に乗って草原に設けられた6席だけのアウトドアダイニングへと向かった。このエリアの草原は、集落ごとに定められた入会地となっており、その権利を持つ人々によって管理されている為、実は気軽に立ち入りできない場所も多い。そんな場所に許可を得て特別に設置されたダイニングスペースだ。
取材時は日の入りと月の出、星空が楽しめる「マジックアワー」にこのエリアに訪れることができた。大自然の息吹を感じながら、空が茜色に染まっていく姿を見届けるひとときは、贅沢このうえない。
ここでは、阿蘇ならではのご当地グルメや炭火焼料理を堪能することができる。準備や片付けはすべてスタッフがやってくれるので、ゲストは手ぶらで楽しめるのがうれしい。アウトドアダイニングスペースには、周辺の草原の茅を刈って手作りした茅葺き屋根を活用しているそうだ。伝統的な技術を生かして作られたダイニングは、どこかエキゾチックな佇まいでリゾート気分を盛り上げてくれる。