草原保全で注目を浴びるサステナブルな“あか牛“とは?
近年阿蘇では地元の牧野(ぼくや)組合のほかにもボランティアを募り、野焼きをすることで草原保全に努めているそうだが、実は私たち観光客にも、草原保全に貢献できる方法がある。それが、なんと「あか牛」を食べることなのだ。
毎日40kgほどの野草を食べて育つあか牛は、100g食べるごとに約4畳半の草原を守ることになると言われている。手をいれなければ、雑木林と化してしまう草原の景観を、意図せず保全してくれる救世主なのである。
手土産の「阿蘇 あか牛肉めしの素」を自宅で堪能!
さっそく筆者も帰り道の「道の駅 阿蘇」で、あか牛を満喫できる「阿蘇 あか牛肉めしの素」(1080円)を手土産として購入してみた。どうやらこちらは「平成29年に高校生が考案した『あか牛の炊き込みご飯』をレトルト商品化したもの」(「道の駅 阿蘇」のホームページより)という。「道の駅 阿蘇」と、国が実施する「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」の第5回で選定された食品加工会社「株式会社成美(なるみ)」(大分県豊後大野市)のコラボ商品で、過去には在庫切れを起こしたこともあるほどの人気商品のようだ。
食べ方は炊き立てのご飯に素を混ぜるだけ。卵を投入すれば、すき焼き風の贅沢な「あか牛肉めし」が完成!特製タレでじっくり煮込んだ牛肉は、コクのある濃厚な味わい。身もゴロゴロ入っており、食べ応えたっぷりだ。
消費することで草原の維持に繋がるサステナブルな存在の「あか牛」。今回実施したアウトドアBBQや乗馬体験料の一部も草原の保護活動に利用され、阿蘇の景観を守る仕組みのひとつになっている。地域独自の特別な体験が、その土地の未来に役立つという旅の形は、これからさらに広がりを見せそうだ。
文・写真/中村友美