旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
■ツルツルです
正解:あわび
難易度:★★☆☆☆
コリコリの歯ごたえがたまらない!
巻き貝のなかでもっとも美味と称されるあわびは、ミミガイ科の貝の総称です。その種類は約100種類ともいわれますが、日本沿岸に棲息しているのはおもにクロアワビ、エゾアワビ、メガイアワビ、マダカアワビの4種類です。
縦長の渦巻き状の貝殻をもたないあわびですが、実は巻貝です。
渦巻き状になった貝殻が圧縮されて開口部が大きくなっているため見た目は巻貝には見えませんが、貝殻の構造は渦巻き構造となっているのです。
また、牡蠣などの二枚貝とは異なり、ノロウイルスなど(貝毒)におかされることはないといわれています。
天然あわびの旬は地域によって差はありますが、一般的には7月から9月といわれています。
天然あわびが食用として出荷できるくらいの大きさに成長するまでには長い時間がかかります。成長のスピードは、1年で1~5cm程度。成熟するまでに約4~5年はかかるといわれています。
ただし、これは温暖な地域に生息するあわびの話で、寒冷地域では約7~8年もの時間がかかることもあります。
こういったことから、種の保存のために産卵準備中や産卵中のあわびをとらないように、全国で禁漁期間が設けられています。
養殖あわびの場合は、生育環境が調整されているので、若干、成長スピードが速くなることもありますが、ほかの魚介類よりは時間も手間もかかります。
あわびが天然、養殖にかかわらず、ほかの魚介類と比較して高価なことも納得ですね。
あわびの魅力は、こりこりとした歯ごたえのある身だけではなく、磯の香りが凝縮された肝の美味しさです。
肝は正確には生殖腺です。白色のものがオスで白子、緑色のものがメスで卵巣になります。
ただし、2~5月にとれたあわびの肝には毒性があり、食べないようにと厚生労働省からも注意喚起されています。
また、肝は時間が経つと苦味や磯臭さが際立ってしまうので、鮮度が落ちたものは避けるのが無難です。