旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■吸いつきます
正解:マダコ
難易度:★★☆☆☆
加熱してもふっくら&やわらか
日本の食卓に古くから親しまれてきた海の幸「タコ」。なかでも、もっとも広く食べられているのが「マダコ(真蛸)」です。庶民の味の代表格である、タコ焼きの具材としてよく使われているのも、マダコです。
マダコは、タコ目マダコ科に属する代表的な食用種で、いわゆる「普通のタコ」といえばこの種を指します。
外套長(胴体の長さ)は20~30cm、足を含めると大きいもので1mを超える個体もいます。吸盤が2列に並んでおり、太くしっかりした足が特徴です。
普段は褐色から赤褐色の体色をしていますが、皮膚の中にある「色素胞(しきそほう)」と呼ばれる細胞を自在に収縮させることで、岩や砂利、海藻の色に似せた模様や質感に素早く変化させます。
こうした擬態は、外敵から身を守るだけでなく、獲物に気づかれずに接近するためにも使われます。
旬は地域や種類によって異なりますが、一般的には6月から7月頃とされています。
マダコの最大の魅力は、ほどよい噛みごたえにあります。加熱しても身が縮みにくく、ほどよくやわらかくなるのも特長です。
また、旨みが強く、生臭みも少なめなこともマダコが多くの人に愛される理由です。
もっともポピュラーな調理法は、たっぷりのお湯に塩を加え、皮が赤くなるまでサッとゆでるだけの塩ゆでです。表面はぷりっと、内側はもちっとした食感に。酢味噌やポン酢との相性は抜群です。
新鮮なものなら生食も可能。生のマダコは、ややねっとりした食感で、旨みが濃厚です。
しょう油、みりん、砂糖などで甘辛く煮る「たこ煮」や、「たこ飯」は定番中の定番。マダコは加熱調理しても硬くなりにくいため、しっかり煮込んでも美味しくいただけます。