東京の秋を楽しむ。前回スタートした奥多摩シリーズ。今日は「釜めし」を取り上げたいと思います。それにしても「釜めし」「炊き込みごはん」「色ごはん」「かやくごはん」「まぜごはん」などと呼ばれる、具材を混ぜ調味料で味付けしたご飯の美味しさって何なんでしょうね。歴史をさかのぼると奈良時代に始まったそうです。米の収穫が十分でなかったころ、米を節約するためにいろいろな具を混ぜたのが起源とか。江戸時代になると、少し贅沢にねぎ飯、竹の子飯、とり飯、かき飯、かに飯など種類が増えていき、味や季節感を楽しむ料理に変わりました。そして、群馬県の国鉄(当時)横川駅で1958(昭和33)年に発売されたのが、荻野屋の駅弁「峠の釜めし」です。以来、名物駅弁としてロングセラーの人気商品となり、累計販売数は1億8000万個に達しています。今や国民食の一つかもしれません。ちなみに、あの独特の土鍋は益子焼だそうです。いぜん栃木シリーズで益子焼を取り上げたばかりで、そのシンクロニシティ(意味のある偶然の一致)になぜか嬉しくなってしまいました。
混雑は奥多摩でトップクラスか、待つ価値ありの『釜めし なかい』
今回取り上げる釜めし3店のうち2店は「おぎのや」風の土鍋に入っています。最初にご紹介するのはその1店。『釜めし なかい』(奥多摩町)です。JR青梅線「川井駅」から北に向かう街道沿いにあり、広々とした敷地に立派な古民家が建っています。店主が生まれ育った家をお店にしたらしいです。
当店の混雑ぶりは奥多摩の飲食店の中でもトップクラスではないでしょうか。ただ、有料制の予約も一部あるようですし、今どきの順番待ちシステムがあるのでストレスなく入店を待つことができると思います。
筆者は待つ間、自転車でブラブラ。スマホで待ち時間を確認しつつ、楽しい時間を過ごすことができました。入店後、注文したのはノンアルコールビールと「きのこ釜めしセット」。
まずはノンアルが到着。嬉しいことにフキでしょうか、おつまみもついてきます。ほどなく釜めしが到着しました。土鍋には綺麗に色づいたきのこご飯が入っています。味は極めてオーソドックスなタイプで、どなたにも満足いただける釜めしと思います。付け合わせは、漬物、刺身こんにゃく、甘味。
そして当店のお汁は「水たき」です。透明なスープに野菜がどっさり、鶏肉もしっかり入っており、これはたまりません。
大人気店ながらも待つ価値のある『なかい』は、季節によって「竹の子釜めし」や「栗釜めし」もありますので、ぜひ皆さまもお運びください。












