鴨川のほとりで歌舞伎と共に隆盛し、歴史を刻んできた、京都五花街のひとつ「宮川町」。石畳を歩く自らの足音がやさしく耳に残る朝8時、路地にある築100年以上の京町家の「ろじうさぎ」は、美味しい朝ごはんを求める地元の常連さんや、旅人たちで賑わいはじめます。
実家に帰省したような居心地の良いお座敷で
暖簾をくぐり、カラカラと引き戸を開けると、「いらっしゃいませ」と笑顔のスタッフと共に、差し込む朝陽に立ち上る湯気と、お出汁のやさしい香りが出迎えてくれます。土間で靴を脱いで、座敷に案内され、座敷机の前に腰を下ろすと、思わず「ただいま」と言いそうになるほど、実家に帰ってきたような、ほっこりした気分に。
朝ごはんができあがるまでの間、部屋の中を見回すと、壁一面が書棚になっていて、京都、歴史、食などさまざまな本が約1000冊、ずらりと並んでいます。店主の奥村さんは、京都の観光ガイドを務めていたことがあるそうで、京都好きが高じて買い集めた蔵書だとか。
舞妓さん、芸妓さんの名前が朱赤色で記された京丸うちわが、飾られています。ご贔屓筋に夏のご挨拶で配られるうちわや、青紅葉が美しい坪庭を眺めていると、日常を忘れそうになるぐらい、時間がゆったりと流れて、落ち着いた気分になります。













