今や世界的な観光地、「新宿ゴールデン街」 飲みある記
行ってらっしゃい〜で 送り出される酒場の迷宮
ゴールデン街。誰が名付けたか、ちょっと隠微なニュアンスを持つこの響き。
それが人を引き付けてやまないのか、ひと昔前は作家、編集者、俳優など、文化人が遊ぶお忍びエリアだった。
今回そんなゴールデン街を飲み歩けという指令が下った。
ちょっと怖いけど、自分の中の何かがGO! と背中を押してくる。行ってきます。
新宿ゴールデン街のオールドスクール バー『クラクラ』の扉を開いた。
歌人の俵万智さんが働いていたことでも知られるここは、文化人が通う有名店。
でも渋〜いカウンターには、意外にもキュートな乙女が立っていた。
「ゴールデン街に初めて飲みに来て、アルバイトに誘われたんです」というヨネちゃんハタチ。
やるなあゴールデン街。いやヨネちゃんか!
いろんな意味でゴイスー。
しかもハイボールなどがすべてダブル。
乙女たちの笑顔がなくてもすぐにクラクラ〜っとくるのでそそくさと退散することに。
クルクラは俳優であり劇団主宰の外波山文明氏の店。イカした店名は坂口安吾夫人が銀座で開いていた文壇バーから譲り受けた。
クラクラからの紹介で向かったのはバー『洗濯船』
作家の内藤陳氏が開いた〈深夜プラス1〉や名物のママのいる〈しの〉などと並ぶ古参の店である。
「今年で40周年なのよ」というママは、60代とは思えないほど若々しい。
包容力ある話術で若者からおじさんまでを虜にするここは、実は一見さんお断り。
でも行きたい時には他の店で紹介してもらえばオッケーなのである。
この日は偶然にも憧れの写真家(京都在住)が隣に座っていて驚いた。
こんなサプライズがあるのもザ・ゴールデン街!
洗濯船 (センタクセン)は写真展示なども行うギャラリーとしての一面も。料理上手の店主が作る気が利いた手料理やこだわりの日本酒などメニューも充実。