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乗る!食う!飲む!観る!
いざ行かん、北陸へ!
北陸新幹線の開業から1年半、「天然の生け簀」といわれる富山湾のキトキトの魚がものすごく身近になった。そこで北陸の食材に舌鼓を打とうと考えたのだが、調べてみると昨秋から今年にかけて、美食満載のグルメ&観光列車が相次いで誕生していた。
これは鉄道旅好きオヤジとしては見逃せない。
というわけで、土日を利用した1泊2日の旅に出かけることにした。

一日目

まず目指したのは、氷見(ひみ)駅発の「べるもんた2号」
東京駅を6時28分発の「はくたか551号」で新高岡駅に着き、城端(じょうはな)線、氷見線と乗り継いで10時13分には氷見駅ホームに無事到着。

1列車目 氷見駅(富山)11:05発、 新高岡駅(富山)12:10着

JR西日本 ベル・モンターニュ・エ・メール(通称:べるもんた)

いきなり1列車目でキトキトを体験。富山湾に面した源義経ゆかりの「義経岩」を車窓に望みながら、獲れたてのキトキトのブリやエビを地元のベテラン寿司職人が目の前で握ってくれるのだ。

ぷち富山湾寿司セット 2000円 ※別途予約

「脂ののった3年モノのブリと違い、2年モノの“がんどブリ”はあっさりとした旨みが絶品」と板前さん。どうだ義経、食べたいか!?

2列車目 金沢駅(石川)14:15発、 和倉温泉駅(石川)15:32着

2列車目は金沢駅で乗り込んだ「花嫁のれん3号」

JR西日本 特急花嫁のれん

1号車エントランス壁面などに煌びやかな金沢金箔を装飾した“女性の幸せを願う列車”なのだが、オヤジも結構乗り込んでいる。

1・3号で提供のスイーツセット(生菓子1個、焼き菓子10個、ドリンク) 2000円

ここでいただくのは地元出身の人気パティシエ・辻口博啓氏が手掛ける「スイーツセット」。レモンの酸味とナッツの甘みが口中で見事なハーモニーを奏でるレモンのムースに眼を閉じた…。

3列車目 和倉温泉駅(石川)15:45発、 穴水駅(石川)16:35着

和倉温泉駅から乗った「のと里山里海5号」では、3種類の地酒を味わう土日限定の「ほろ酔いプラン」をいただいた。

のと鉄道 のと里山里海号
ほろ酔いプラン 3500円(土曜のみ下り1本)

と、その前にウエルカムドリンクの「能登ワイン」でまずはひと息。

純米「千枚田」など地酒を珠洲焼、輪島塗、ガラス盃で味わう。

唇に触れる器の微妙な感覚を楽しむのもまた一興だ。
ビューポイントで海の光の照り返しに眼を細め、アテンダントの温かいガイドに耳を傾ける。
心地よいほろ酔いとは、こういうひとときをいうのだろう
1日目の“グルメ3列車走破”を終えた私とカメラマンは、富山駅前に宿をとることにした。
穴水駅を17時23分に発ち七尾駅、津幡駅で乗り換えて富山駅には20時過ぎに到着。

2日目

4列車目 電鉄富山駅(富山)7:00発、宇奈月温泉駅(富山)8:40着

2日目、富山地方鉄道の「アルプスエキスプレス」でトロッコ電車が走る宇奈月温泉駅を目指した。

富山地方鉄道 アルプスエキスプレス

残念ながらレストラン車両がないので、富山駅の売店で「ブリのすし小箱」を買い求める。

ぶりのすし小箱 850円

こういった、名物駅弁の味を楽しめるのも鉄道旅ならではの楽しみだ。
木の窓枠を額縁に見立てた車窓の左右に、雄大な立山連峰と富山湾の青さが広がる。
この景観が見事な1枚の絵画に見えてきた。

終着駅で黒部渓谷を眺め、駅ホームの足湯でひと休み。

頭の中から“仕事”が完全に飛び去っていた。
10時41分に宇奈月温泉駅を発ち、新魚津駅から魚津駅を経て
13時過ぎに糸魚川(いといがわ)駅に着く。
さあ、この弾丸列車旅のラストを飾る「雪月花」に乗り込もう!

5列車目 糸魚川駅(新潟)14:10発、 上越妙高駅(新潟)16:48着

えちごトキめき鉄道 えちごトキめきリゾート雪月花

糸魚川駅から日本海沿いに走り、直江津駅から妙高高原駅を折り返して上越妙高駅まで田園と山路を走る。
糸魚川駅と上越妙高駅間は北陸新幹線なら15分とかからない距離を、午後発便の「雪月花」はたっぷり2時間40分かけて走る。
つまり目で楽しむ海山の景観だけでなく、その幸を舌と胃袋で堪能しようというのだ。

和食の三段重(午後便) 食事付きコースは午前・午後便とも片道14800円

糸魚川出発便で味わえる料理は、明治天皇にお出しした献立が今も残るという糸魚川市の割烹「鶴つる来ぎ家や」の料理。
仕事でもプライベートでも訪ねたことのない老舗の味が旅の締めくくりだと思うと、料理が出る前から(恥ずかしながら)垂涎モノである。
沿線の糸魚川ゆかりのヒスイ鰻の蒲焼、越の丸茄子田楽……。
ウエルカムドリンクのオリジナルスパークリングワインに始まり、テーブル上に並ぶ料理の数々が、車窓から眺められる新潟の風土で育まれた食材だった。
5つのグルメ列車を乗り継いで北陸から新潟へ。
地元の美食が、旅情をより豊かにしてくれた2日間だった。

今回の記事の店舗情報

JR西日本 ベル・モンターニュ・エ・メール

高岡駅を起点として、合掌造り集落の五箇山の嶺に向かって南へ走る城端線。一方、北の青い海原が広がる富山湾を車窓間近に描くのが氷見線。

JR西日本 特急花嫁のれん

幕末に加賀藩領で始まった婚礼の風習で、結婚式は花嫁が実家の紋入り「花嫁のれん」をくぐることから始まる。この列車旅の幸せなひとときも、金沢駅のホームに掛けられた花嫁のれんをくぐるところから。

のと鉄道 のと里山里海号

穴水駅から和倉温泉駅を経て七尾駅へ。七尾湾沿いに走る距離はわずか33㎞ほどなのだが、所要時間は1時間。

富山地方鉄道 アルプスエキスプレス

富山の大自然との調和をモチーフにした車両は、九州新幹線や豪華クルージング列車「ななつぼしin九州」のデザインを手がけた水戸岡鋭治氏によるもの。木の温かい質感が生かされている。

えちごトキめき鉄道 えちごトキめきリゾート雪月花

運行開始は2016年4月、まだピカピカの豪華リゾート列車だ。既存車のリニューアルではなく新たに誕生させたオリジナル車両。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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admin-gurume
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