晩秋の長崎本線・強烈! ムツゴロウ&ワラスボ編 P.S.ちゃんぽん/2017年
有明海といえば、干満の差が大きく、広大な干潟が現れることで有名です。 前回の竹崎カニとカキに続いて、今回は干潟の珍味に挑戦してみました。 11月中旬、青い有明海とミカンの風景を求めて訪れた長崎本線、朝には満潮の時間に日が昇りました。 熊本県側の陸地から上がる朝日が穏やかな有明海に輝いて美しい風景です。 そして、今日も鉄道風景を求めて走り回ります……。
相変わらずカッコいい、 「白いかもめ」。
立ち寄った道の駅「多良」では、ミカン、カニ、カキなどを購入して車内料理(前回参照)しました。 カニコーナーの隣には、ムツゴウロウの素焼きや煮物が並んでいます。 素焼きは料理の必要があるので、今回は甘辛煮を購入です。 見た目は頭からいけそうなので、かぶりついてみたのですが、サイズが大きかったせいか、骨と頭は固くてムリ。 身をほぐして食べました。 白身で意外にも上品で淡白な味、炭火焼の香ばしさとしょうゆの味が良く合います。 珍味というより、普通においしいおかずです。(見た目はさておき……)
ムツゴロウの甘辛煮。 下にも隠れていて、 9匹で550円とリーズナブル。
汁は煮こごりになっていて、 上品な味。
シュールな名品「ポリポリシリーズ」にチャレンジ!
[ポリポリわらすぼ&ポリポリむつごろう]
道の駅「多良」のお土産コーナーを見ると出てきたのが、 有明の味「ポリポリわらすぼ」と「ポリポリむつごろう」……。 けっこうシュールです。 パッケージのウラを見てみると、 ワラスボには「有明海のエイリアンを空けてそのまま丸かじり」 ムツゴロウには「有明海のマスコットを空けてそのまま丸かじり」とあります。 扱いの差が激しいです。 でも、両方を購入。 まずは、ムツゴロウから開けてみます。
「ポリポリむつごろう」の パッケージを開けてみた!
う~~ん、もう見るからに珍味……。 意を決してかじりつくと、さくっとして、しょうゆベースの味付けが良い!! これは、お酒が進みそうなお味です。 つづいてワラスボです。
こちら 「ポロポリわらすぼ」は、 豪華2匹入り!
おわっ!! いきなりカメラのマクロ機能でアップで見てしまいました。 さすがにエイリアンの名は伊達じゃない。 さくさくのムツゴロウに比べて、こちらは少々固め。 この頭が、いちばんさくさくです。 身のほうは少したたいてやわらかくして食べてみました。 味は、むしろワラスボのほうが濃くておいしいかも。 しかし、とにかくインパクトのある珍味です。
長崎といえば、やっぱり「ちゃんぽん」でキマリ!
インパクトの強い料理だったので、少し口直し。 お昼ごはんは撮影の合い間を縫って、ちゃんぽんです。 軽めに、肉と海鮮抜きの野菜ちゃんぽんにしました。 九州の方は当たり前だと思いますが、スーパーにたくさんの種類のちゃんぽんスープが並び、麺も安ければ18円とか20円とか売っています。 いかに、普段から食べられているのかがわかります。
地元スーパーには ちゃんぽん関連のものが たくさん並んでいる。
特にうれしいのが、ちゃんぽんの具がパックされて売っていることです。 たいてい、竹輪と。赤と緑の蒲鉾が刻んで入っています。 スープ、麺、具にキャベツともやしを入れれば、あっと言う間にちゃんぽんの完成です。
あとは、 軽く煮込むだけ……!
列車で行けない「道の駅」も、楽しい場所です!
さて、終日天気にも恵まれて、夕方に撮影完了です。 道の駅「多良」の隣にある道の駅「鹿島」に寄ってみました。 こちらも有明海に面した道の駅で、毎年初夏には「ガタリンピック」という干潟のイベントを行なうことでも知られた干潟遊びの基地的な道の駅です。 まずは、道の駅内にある小さな水族館に寄ってみました。 シオマネキ、クラゲ、トビハゼなどなど、なかなかかわいい干潟の生き物が並んでいます。 そして、いました。 ワラスボ……さすがに、生きているのもスゴい!
道の駅「鹿島」も 有明海沿いにある。
道の駅「鹿島」の 水族館にいたシオマネキ。
水族館のワラスボ。 生きているのも けっこうスゴい!
朝は満潮だった有明海も、このころには見事な干潟になっていました。 水族館の展望台から見ると、どこまでも続いて見えます。 望遠鏡で見てみると、干潟の上をぴちぴち跳ねる魚が見えます。 ムツゴロウです。 海岸線に移動して、望遠レンズで狙ってみました。 泥の上をのそのそ進み、ほかのムツゴロウに出会うと、背びれを立てて跳ねて威嚇……。 かわいいです。
この日の夕方、 道の駅の近くには 干潟が広がっていた。
海岸から望遠レンズで見た ムツゴロウ。 のんびり歩いて……。
敵を見つけると威嚇。 さすが有明海のマスコット!
水族館の方の話では、ムツゴロウは寒くなると泥の下にもぐって冬眠するのだそう。 翌日から下り坂の天気のため、今年見られるのは最後かもしれないとのこと。 また、来年暖かくなったら、会いに来たいムツゴロウでした。
佐々倉実(ささくら みのる) 鉄道をメインにスチール、ムービーを撮影する“鉄道カメラマン”。初めて鉄道写真を撮った小学生のころから約50年。鉄道カメラマンなのに、列車に乗ると走るシーンを撮影しにくいので、撮影の8割はクルマで移動。そんなワケで1年のかなりの期間をクルマで生活しています。ちなみに、鉄道の他に“ひつじ”の写真もライフワークで撮影中、ときどきおいしいひつじの話も出てきます。 主な著作に「富士鉄」(講談社)「新幹線ぴあ」(ぴあMOOK)「鉄道ムービー入門」(玄光社)「ひつじがすき」(山と溪谷社)など多数、映像集に「感動の美景鉄道」(MAXAM)「日本の新幹線・特急」(シンフォレスト)など、担当番組に「素晴らしき日本・鉄道の旅」(BS-TBS)など
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