名古屋めし

名古屋グルメ_創業100年超の老舗麺類食堂の絶品うどん&かつ丼/名古屋エリア限定情報(68)

名古屋市東区赤塚町に明治、大正、昭和、平成、そして令和と、5つの時代を駆け抜けた店がある。創業1888(明治21)年の麺類食堂『森田屋』がそれだ。老舗だからといって敷居が高いわけではない。131年間にわたって地元の人々に愛されているのだ。

画像ギャラリー

創業100年超の老舗麺類食堂「森田屋」の絶品うどん&かつ丼

今、世の中は新元号「令和」の話題で持ちきり。
名古屋市東区赤塚町に明治、大正、昭和、平成、そして令和と、5つの時代を駆け抜けた店がある。
創業1888(明治21)年の麺類食堂『森田屋』がそれだ。老舗だからといって敷居が高いわけではない。
131年間にわたって地元の人々に愛されているのだ。

「戦後は、うどんやそば以外にラーメンやチャーハン、オムライスも出していたようです。
お客さんの7割は出前だったそうです。45年前に店を改装したのを機に、メニューをうどんとそば、丼物に絞りました。
あ、それでもラーメンは30年前くらいまではやっていました」と話すのは、
4代目の店主、玉津亮さん。

自慢のうどんは、北海道産の小麦粉を使用した自家製麺。
やや細めに切ってあるのが特徴で、噛むごとにしっかりと小麦の味が広がり、もっちりとした食感が楽しめる。

これから暑くなるにつれて注文が増えるのが、冷たいつゆで味わう「えびおろしうどん」(1080円)。
たっぷりの大根おろしと、車海老とアスパラ、カボチャ、ナスの天ぷらがのるボリューム満点の一杯だ。

薄衣で揚げた天ぷらは別皿で出される。
1つずつつゆに浸して食べるのもよし、全部のせてつゆに染み出す旨みを楽しむのもよし。
つゆはムロアジとカツオをベースにたまり醤油をはじめ、数種類をブレンドした醤油を合わせてある。
しっかりきいたダシが、麺の美味しさを引き立てている。

老舗麺類食堂の「森田屋」を語るうえで、絶対にハズせないのがかつ丼!

もうひとつ、『森田屋』で絶対に注文したいのが、「かつ丼」。
一見、ごくフツーのかつ丼に思えるが、まったく違う。
揚げたとんかつをご飯にのせて、その上から丼つゆで煮込んだフワフワの卵をのせてあるのだ。
とんかつを煮込んでいないので、衣のサクサク感が楽しめるのが特徴だ。

最近では、東京でもこのタイプのかつ丼を出す店があるらしい。
“かけかつ丼”と呼ばれているそうだが……。
『森田屋』に限らず、名古屋の麺類食堂では、昔からこのスタイルが多い。
それはなぜか?

「出前が大きく関係しています。
たとえば、かつ丼5人前の注文が入ると、底の浅い丼鍋でとんかつを1人前ずつ煮込んでいては時間がかかります。
そこで人数分の卵だけを丼つゆで煮込めば、鍋一つで済むわけです。
作り手側の事情と思われるかもしれませんが、揚げたての衣が楽しめますし、注文先へ届けられるころには、卵が吸った丼つゆがいい具合にご飯に染みますからね」と、玉津さん。

『森田屋』のかつ丼は、信州産のSPF豚を使用。肉の旨みと甘みがしっかりとしていて、これをラードで揚げるというからたまらない。
丼つゆはやや甘めの味付けながらもダシの旨みがしっかり。
フワフワの卵をたっぷりとかつに絡めて食べると、肉の旨みと相まってご飯がすすみまくる。
名古屋的合理主義から生まれた名古屋の麺類食堂のかつ丼は、ひと味もふた味も違うのである。

森田屋
[住所]愛知県名古屋市東区赤塚町15
[電話番号]052-931-6848
[営業時間]11時~15時
[定休日]日曜・祝日

永谷正樹(ながや・まさき)
1969年生まれのアラフィフライター兼カメラマン。名古屋めしをこよなく愛し、『おとなの週末』をはじめとする全国誌に発信。名古屋めしの専門家としてテレビ出演や講演会もこなす。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

画像ギャラリー

この記事のライター

関連記事

【埼玉・東松山の名店】秋田の伝統建築でいただく絶品の手打ちそばとうどん!風情たっぷりの古民家で非日常も味わえる【PR】

HD-2D版『ドラクエIII』発売記念! 『ローソンストア 100』とコラボ商品「スライムむしパン」や「勇者のおにぎり」が登場、レジからはレベルアップ音が流れる盛り上がりっぷり

カルフォルニア発のライフスタイルブランド「カバリーニ」社のウォールカレンダー「バードウォッチ」プレゼント!! 美麗なイラストに癒される逸品

大注目の映画『対外秘』のグッズを3名様にプレゼント!! 国会議員選挙に立候補し 国と国民に尽くそうとした男の復讐劇が見逃せない

おすすめ記事

“タワマン”の日本初の住人は織田信長だった? 安土城の「天守」ではなく「天主」で暮らした偉大な権力者の野望

芝浦市場直送の朝締めホルモンは鮮度抜群 高円寺『やきとん長良』は週末の予約は必須

不思議な車名の由来は「ブラックボックス」 ”ミレニアム”に鳴り物入りでデビューした革命児の初代bB 

大分県に移り住んだ先輩に聞く(2) 移住でウェルビーイング「移住とはコミュニティの中でその想いを受け継ぐこと」

収穫を感謝する「加薬うどん」 美智子さまと雅子さま夫妻で交わす大切な重箱

講談社ビーシー【編集スタッフ募集】書籍・ムック編集者

最新刊

「おとなの週末」2024年12月号は11月15日発売!大特集は「町中華」

全店実食調査でお届けするグルメ情報誌「おとなの週末」。11月15日発売の12月号は「町中華」を大特集…