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酒のつまみは数あれど、とりわけポテトサラダをこよなく愛すマッキー牧元氏。「ポテサラ学会」の会長でもある氏が、ポテサラが旨いと評判の店に足を運び、その美味しさを伝えるコーナーの第2回です。

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北千住『是屋』

酒のつまみは数あれど、とりわけポテトサラダをこよなく愛すマッキー牧元氏。「ポテサラ学会」の会長でもある氏が、ポテサラが旨いと評判の店に足を運び、その美味しさを伝えるコーナーです。

おしゃれな伯父さんより頑固な親父

ポテト、キュウリ、ゴロゴロベーコンとシンプルな構成(左)仕上げにすりおろした玉ねぎをベースにした甘辛いタレがかかる(右)

「頑固な親父ではなく、ちょっとおしゃれで面白くて、会えば『酒飲むか?』なんて伯父さんに憧れていたりする少しヤンチャな男の子っているでしょ。このタレはその伯父さんで、ベーコンはヤンチャな男のコだね」とは、タベアルキストであり「ポテサラ学会」会長でもあるマッキー牧元氏だ。

 ポテトの中にキュウリと大きなベーコンが入り、さらに甘辛いタレのかかった、北千住の居酒屋『是屋』の名物である「ポテサラ」をまずはパクリとひと口食べた後、マッキー氏は笑顔になって、そして味わいのバランスを家族になぞらえそう例えた。確かに大きくカットされたベーコンは、マヨネーズと生クリーム、塩、ブラックペッパーで味付けされた柔らかい味わいのポテサラの中で少々ヤンチャで主張もはっきりしているし、たらりとかけられたタレもちょっとおしゃれで伯父さんがぴったり。

タレは頑固な父のクセから着想

「特製タレかけ 炙りベーコンのポテトサラダ」(648円)

 しかし、このポテサラは伯父ではなく、是屋の店主・井上氏の頑固な親父をヒントに考案されたものなのだ。

「もしかして、ポテサラにかかっているこのタレにその理由があるの?」とマッキーさんが尋ねると、「はい。4年前、店を出す際にポテサラもオリジナルなものにしたいと考えていた時に思い出したのが親父のこと。親父はポテサラにソースをかけて、『旨い、旨い!』って食べていたんですね。だったらソースに変わるものをかければ、親父好み、ひいては男性好みの美味しさになるんじゃないかなって」と、井上氏はポテサラにタレがかかる秘密を教えてくれた。
「とはいえ市販のソースをかけるわけにはいかないので、すりおろした玉ねぎと醤油、酒、みりんを煮詰めて使ったソースに似たタレを作ったんです」

 そう説明を聞くと、マッキー氏はポテサラをタレのかかる部分とかからない部分に分けて、それぞれを今度はじっくりと味わってみる。そして……
「タレなしだとマヨネーズ加減が控えめで優しい味わい。タレと混ぜると甘辛さが加わり味がちょうど良い濃さになるんですね……ひと皿で二つの美味しさが楽しめる。これは面白いね!」と上機嫌。

注ぎ方でビールの味を変えて楽しむ

 さて、ポテサラを楽しんだ後はこちら、「赤星ビール」。
「これは実の親父ではなく、常連さんたちの笑顔のために用意したんです。『赤星じゃないか! 置いてくれてありがとう!』なんて喜んでくれる方が多いんですよ」と井上さん。
よく冷えたその赤星を手に取るとグラスに勢いよく注ぐマッキー氏。グラスから泡がこぼれそうになるほど注ぐと、待つことしばし。泡が半分くらいに減ってきたところで、再び注ぐ。また泡が減ってきたら細くゆっくりとビールを注ぐ。見事にこんもりと泡の盛り上がった3度注ぎのグラスを手に取ると、ゴクゴクゴクと心地よく飲み干すのであった。

「タレのコクとビールの程よい苦味が実に合う」とご満悦。「3度注ぐことで炭酸が適度に飛び、やさしくまろやかな味わいになるんだよ。1度注ぎだと喉越しのいい爽快な味わいが楽しめる。ビールも注ぐ回数を変えて、気分や料理にあった味わいにして楽しむといいよね」。タレありタレなし。1度注ぎと3度注ぎ。つまり4つの組み合わせが、ここ是屋では楽しめるというわけだ。もちろんマッキー氏は、4つの組み合わせをじっくりと堪能したのはいうまでもない。

●マッキー牧元
タベアルキストを自称して早30年。ひたすら美味しいものを食べ歩き、それを生業とすべく小誌の連載「おいしい往復書簡」のほか、各誌で活躍するコラムニスト。また食雑誌『味の手帖』編集主幹でもあり、近著に『出世酒場』(集英社)がある。

これも合います!

「大エビ丸ごと入りメンチカツ」972円(左)「タコの柔らか煮のから揚げ」864円(右)

「特製タレかけ 炙りベーコンのポテトサラダ」648円をはじめ、アイデアに富みつつも、素材の美味しさを楽しませてくれる居酒屋。

 赤星に合わせるなら「大エビ丸ごと入りメンチカツ」(通称・エビメンチ)972円がおすすめ。合挽き肉の中にエビが丸ごと1本入っており、メンチのさっくりした食感の後にプリッとした甘いエビが待つという、贅沢なひと品。炒ったエビの殻を加えることで香り豊かに仕上げた塩で堪能してほしい。

 また「タコの柔らか煮のから揚げ」864円も、味のしみたタコを香ばしく揚げることでビールとの相性は抜群になる。どちらも赤星目当ての客からの注文が多い定番&人気メニューだ。

 お酒は赤星に加え、日本酒や焼酎も豊富に揃える。中でも日本酒は「いろんな味があることを知ってもらいたい」と銘柄にこだわらず、飲みきりでいろんなお酒が置かれている。「ひとりでも気軽に立ち寄れるお店です。ぜひ一度、料理と酒を楽しみに来てください」(井上氏)

落ち着いた雰囲気の店内(左)店主・井上紀之さん(右)

■是屋(これや)
住所:東京都足立区千住東2-6-8/電話番号:03-6806-2935/営業時間:17時〜24時/休み:日/席数:カウンタ−8席、6名×1卓、4名×1卓 計18席/カード可/全席禁煙/JRほか北千住駅東口から徒歩6分

撮影/西﨑進也

2016年11月29日公開

マッキーさんのポテサラ酒場の過去記事も読める!
【サッポロラガービールのおいしい情報が満載!「赤星★探偵団」はコチラ】
https://www.akaboshi-tanteidan.com/

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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おとなの週末Web編集部
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