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現在、過去を含めて、いちばん好きな鉄道車両は?と聞かれたら、私は即答します。 「日本最大でけた外れの迫力のC62型蒸気機関車(以下C62)」。 これにつきます。 その巨大さと、天をつくような煙、昔レコードで聞いたジェット音にもたとえられる迫力の音に酔いしれました……。

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函館本線ニセコ野菜と日本最大のSLの思い出/1981~2020年

前回に引き続き、函館本線山線のお話です。
現在、過去を含めて、いちばん好きな鉄道車両は?と聞かれたら……。
即答です。
日本最大でけた外れの迫力のC62型蒸気機関車(以下C62)。
これにつきます。
(銀河鉄道999で飛んでたヤツですね)

日本最大の機関車C62(1994年撮影)

このC62は、もともと平地を高速で走るように作られた機関車です。
かつては、東海道本線の「つばめ」「はと」などの優等列車を牽引しました。
本線が電化されたり、ディーゼル機関車けん引になって第一線から退いたあとは、函館本線で運転されるようになりました。
特に長万部駅から小樽駅までの山岳区間は、このC62が重連(2両連なって走る)で運転されていました。
小学生のころ、雑誌や聞いた話でこの列車、急行ニセコ号に憧れ、SL走行音のレコードでジェット機のような大迫力の音を聞いて撮影する日を夢見ていました。

しかし、はかなくも夢やぶれて撮影前にC62牽引は終了してしまいます。
1971年。
私が小学校5年のときです。
その後、6両あったC62のうち1両が梅小路蒸気機関車館(現在の京都鉄道博物館)に移籍。
廃止の翌年に京都で出会った機関車は、子どもの目にはさらに大きく見えました。

京都に保存されているC62。
日にちによっては現在でも構内運転される(2006年撮影)

のちに撮影した急行ニセコは、2両の大型ディーゼル機関車がけん引(1981年撮影)

急行ニセコ号のSL牽引終了から20年近く経った1988年、驚きのニュースが入ってきました
小樽に置いてあったC62の3号機が復活して「C62ニセコ号」として函館本線山線を走り出すというニュースです。
当然、この年から夏の北海道撮影が恒例になりました。
C62は、全長約21.5ⅿ、全高約4ⅿ、総重量約150t、動力を伝える車輪は直径1.75ⅿで3対あります。
名実ともに日本の鉄道歴史上、最大の機関車です。
その巨大さと、天をつくような煙、昔レコードで聞いたジェット音にもたとえられる迫力の音に酔いしれました。

復活したC62ニセコ号。圧倒的な迫力で走った(1992年撮影)

車内もレトロで良い感じ(1993年撮影)

天を焦がすような煙柱。
機関車の高さが4m、煙の大きさがわかる(1993年撮影)

C62ニセコ号が運転を終了したのは1995年のこと。
夢のような7年間でした。
この機関車、C62の3号機は、現在でも札幌の「北海道鉄道技術館」に大切に保存されています。

また、いつの日か復活して、その雄姿を撮影できる日が来ることを祈っています。

2020年には臨時特急ニセコが走った。
いつの日にかC62でも走ってほしい(2020年撮影)

函館本線山線沿線のおいしいものをご紹介!

そんなニセコ号も走った函館本線山線沿線のおいしいものです。
まずは、小沢(こざわ)駅前で今でも買える“トンネル餅”です。
このお菓子、なんと函館本線開業時から販売しているもので、優に100年が経ちます。
形はトンネル型、赤と緑の2本の線は、レールを表しています。
食べると、ふわっとやわらかくて、ほのかな甘みです。
時間が経つと固くなるので、購入は現地のみ。
近くに行ったら、ぜひ食べたいお菓子です。

トンネル餅は、小沢駅前の
末次商店で購入可能(2020年撮影)

掛け紙もレトロ(2020年撮影)

断面はトンネル型、
緑と赤がレール。
今回は赤が薄め(2020年撮影)

そして函館本線山線の観光拠点、山小屋風のおしゃれな駅舎をもつニセコ駅です。
この駅に列車で到着すると、ホームでほんのりカレーの香りが漂います。
この香りで、口の中はカレーです。
正体は、待合室にトビラのある喫茶店“ニセコ”のカレーです。
野菜いっぱいのカレーは、ニセコ駅の名物になっています。

山小屋風のニセコ駅舎(2015年撮影)

駅待合室直結の喫茶ニセコ(2006年撮影)

野菜いっぱいの名物カレー(2006年撮影)

そして、近年ニセコで必ず寄るのが、駅からも比較的近い道の駅ニセコビュープラザです。
2020年の夏の終わりのお店は、とにかく野菜でいっぱいでした。
ベーコンやチーズも含めて、車内食向けの購入意欲、スイッチオンです。
こんなに食べられるかというくらい、購入してしまいました。

北広島市で作られたベーコン(2020年撮影)

ニセコ高橋牧場の
チーズ“曽我”(2020年撮影)

たっぷり買った
ニセコの野菜(2020年撮影)

さて、ここから二晩続けて、ニセコ野菜の車中食開始です。
まずは、ベーコン&チーズをそのまま味わってみました。
ベーコンはそのまま食べても、香りが良くてすっきりおいしいです。
チーズは濃厚、生でも滑らかな舌触りです。
同時に買ったキュウリといっしょに食べると、なんとも楽しい前菜になりました。

生のベーコンとチーズ、
どちらも味わい深い(2020年撮影)

キュウリも合わせれば、
前菜完成(2020年撮影)

続いてベーコン焼きです。
いつものように、フライパンに焦げ付かないアルミホイルを敷いて焼きます。
たまらない香りがしてきます。
いい具合に焦げ目ができたら完成。
2つに切って盛り付けます。
食べればもちろん、間違いのない味わいです。
少々値段は高めですが、買ってよかったと思えます。

アルミホイルでベーコン焼き。
もちろん超厚切り(2020年撮影)

2つに切って盛り付ける(2020年撮影)

ベーコンから出た油がもったいないので、茹でたブロッコリー、じゃがいも、にんじんを軽く炒めます。
炒め終わったら、ベーコンとチーズを並べ、蓋をして加熱します。
温まり、チーズが良い具合に溶けたら胡椒をふりかけます。
プチトマトを乗せて、軽く温まったらオリーブオイルを回しかけて、夏野菜のチーズ焼き完成です。
もう、すべてが濃厚で、ニセコを食べている感じ。
夏の終わりを味わえました。

残った油で、
茹で野菜を炒める(2020年撮影)

ベーコンとチーズを乗せる(2020年撮影)

チーズが解けたら胡椒で味付け。
塩はベーコンの塩気で十分(2020年撮影)

プチトマトを乗せて温めれば、
ニセコ野菜のチーズ焼き完成(2020年撮影)

2日目も野菜いっぱい料理です。
スーパーマーケットで買い物中に思いついた、車中食ならではオリジナル「手抜きつけスープカレー」です。
肝はお惣菜の手羽元あぶりやきチキン、ちょっと値引きになっていました。
ニセコで買った野菜は、オリーブオイルで炒めて、軽く塩コショウしておきます。
水に手羽元あぶりやきチキンを投入。
煮込まずに沸騰したところでスープカレーの元を投入。
レシピよりもちょっとだけ水少な目です。
総菜を使うことで、温めるだけでチキンは十分やわらかくなっています。
チキンの味付けからも良い出汁が出ます。
炒めた野菜をそのまま食べてもOK。
スープカレーにつけてもOK。
スープといっしょでもおいしいです。
ご飯も、総菜で買った白飯、スプーンにご飯を乗せてスープにつけて食べるのは札幌流です。
大量の野菜も、いろいろな食べ方で、飽きずにあっという間に完食です。

手抜きつけスープカレーの肝は、
手羽元あぶりやきチキン(2020年撮影)

そのまま水に入れて温める。
洗い物をなくすために、
これもアルミホイルを使う(2020年撮影)

温まったらスープカレーの元投入。
再沸騰させて。スープカレーが完成(2020年撮影)

ニセコ産ズッキーニ、ナスに
オリーブオイルをかけて炒める(2020年撮影)

茹でたブロッコリーとニンジンを加えて
軽くあえる(2020年撮影)

スープと炒め野菜を
好きに食べる(2020年撮影)

総菜の白飯をスプーンに乗せて、
カレーと食べる札幌流(2020年撮影)

あれだけ買った野菜、2日間でまさかの完食です。
いやぁ美味しかった。
やっぱり旅をしたら、地元ならではのおいしいものを食べたいですね。
本当に、ごちそうさまでした!

佐々倉実(ささくら みのる)
 鉄道をメインにスチール、ムービーを撮影する“鉄道カメラマン”、初めて鉄道写真を撮ったのが小学生のころ、なんやかんやで約50年経ってしまいました。鉄道カメラマンなのに撮影の8割はクルマで移動、列車に乗ってしまうと、走るシーンを撮影しにくいので、いたしかたありません。そんなワケで年間のかなりの期間をクルマで生活しています。趣味は料理と酒! ヨメには申し訳ないのですが、日々食べたいものを作っています。
 鉄道旅と食の話、最新の話題から昔の話まで、いろいろとお付き合いください。
 ちなみに、鉄道の他に“ひつじ”の写真もライフワークで撮影中、ときどきおいしいひつじの話も出てきます。なにとぞご容赦ください。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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