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ここ数年、抹茶人気が加速中。抹茶椀で頂くおなじみのスタイルから、コーヒー感覚で飲むスタイルまで多種多様な広がりを見せています。海外からの観光客や若者にも大人気。 抹茶でほっとひと息、つきませんか。

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「おとなの抹茶」入門 気軽に始める”庭園抹茶”のススメ

今や世界各国で通じる“MATCHA”という単語。日本農業新聞によると、2018年に「緑茶(煎茶含む)」は輸出で過去最高額を記録したのだとか。

国際的にも注目度が高まる抹茶を、今改めてきちんと知りたい、楽しみたい! というわけで、空間ごと目で味わえる「庭園の抹茶」に着目。

首都圏とっておきの3庭園をご紹介します。

『旧古河庭園』@西ヶ原

丘の上に洋館とバラ園を有し、その眼下に大正8年(1919)造園の日本庭園が広がる。太平洋戦争終戦まで明治の大財閥・古河財閥の総帥本邸として使われ、戦後に国の管理となった。作庭は京都の庭師・植治こと七代目小川治兵衛によるもの。庭の中心には大きな池を配し、枯滝の石組や井戸水を水源とした大滝も楽しめる。平成18年(2006)に国の名勝指定を受け、大正初期設計庭園の姿を現在に伝えている。

茶室をぬける風と共に 抹茶を楽しむ

『旧古河庭園』
敷地の東側に位置する茶室から茶庭を眺める 

石造りの洋館のイメージが強い『旧古河庭園』。広い敷地には高低差があり、洋風庭園を下ると、雪見灯篭が立つ日本庭園の世界へと移り変わる。

バラ園と反対側に位置する茶室では、干菓子と抹茶を喫することが可能。

抹茶は、京都の『一保堂茶舗』「福昔」を点てたもの。撫子形の錦玉は、シャリッとした歯応えの後、柔らかな寒天の弾力を感じる。

そのあとに抹茶をいただくと、きめ細かな泡から届く苦みが舌にすうっと広がり、後には茶の爽やかな残香が。

茶室から見える庭は、周囲の高い樹木から漏れる日差しを受け、どこか優しい陰影。決して敷居が高い茶室ではなく、気軽に「一期一会」を体感できる場所になっているのが嬉しい。

『旧古河庭園』
お抹茶は干菓子付きで一服500円。茶室内に敷かれた赤い毛氈(もうせん)の上に座り、頂戴する

『旧古河庭園』
濃緑に囲まれた茶室は数奇屋風書院造りの趣

『旧古河庭園』
台地の急勾配部分を活かし造られた大滝。数段の小滝を経て滝つぼへと落ちる

[住所]東京都北区西ヶ原1丁目
[電話]03-3910-0394(庭園のお問い合わせのみ)
[営業時間]9時~17時(入園は16時半まで)※茶室で抹茶が飲めるのは3月中旬~6月30日、9月末~11月30日の火・水・木・土・日・祝の10時または11時~16時まで(茶室や洋館のお問い合わせは、公益財団法人 大谷美術館03-3910-8440まで)
[休日]年末年始
[入園料]一般150円、65歳以上70円※洋館は別途入館料がかかる。
[交通]地下鉄南北線西ヶ原駅から徒歩7分、JR京浜東北線上中里駅から徒歩7分

『六義園』@駒込

江戸幕府第五代将軍・徳川綱吉に仕えた川越藩藩主・柳澤吉保による大名庭園。吉保自らが設計し、元禄15年(1702)に完成させた。「六義園」という名は、古今和歌集で説かれる「六義」にちなむ。明治に入り、三菱財閥創業者・岩崎彌太郎が園を所有。昭和13年(1938)に岩崎家が東京市(現在の都)へと寄進した。昭和28年(1953)、国の特別名勝に指定され、都心に残る貴重な名庭園のひとつとなった。

元禄時代の大名も眺めた池畔で一服

『六義園』
池に遊ぶ水鳥を鑑賞しながら一服すれば、穏やかな時間が流れる

駒込の『六義園』は、山手線の駅を降りて徒歩3分の距離にある大名庭園。足を踏み入れると、「駅チカ」という先入観を覆される空間が。

樹間を歩き、大泉水(池)と面する場所へ出ると、遠景には小高い山、池の中央には小さな島。周囲には超高層ビルもなく、青空が広く抜け、ハッとする美しさ。

池の端の吹上茶屋では、暑い季節にぴったりの冷たい抹茶が飲める。

『六義園』
「吹上茶屋」では、開庭時には9時から16時半まで抹茶や甘酒を提供する(庭園のイベント等で時間に変動あり)。写真は冷抹茶のセット(600円)

こちらの抹茶は、庭園を管理する東京都公園協会が販売する京都・宇治産「林泉の昔」を使用。開放感ある茶屋で、季節の意匠の練り切りと抹茶の風味を楽しむことができる。

抹茶単品だけでも注文できるので、甘味は少し控えたい、という人にもぴったりだ。

『六義園』
「滝見茶屋」と呼ばれるあずまやの横に走る渓流の眺め

『六義園』
2枚の大岩をのせた「渡月橋」。その名もまた、和歌に由来する

[住所]東京都文京区本駒込6丁目
[電話]03-3941-2222
[営業時間]9時~17時(入園は16時半まで)
[休日]年末年始
[入園料]一般300円、65歳以上150円
[交通]JR山手線ほか駒込駅から徒歩7分、都営三田線千石駅から徒歩10分

『丹徳庭園』@埼玉県川越

埼玉県・川越市にて、旧家の邸宅を公開している庭園。始まりは明治2年(1869)創業の材木商「丹波屋」。初代の名を鈴木徳次郎といい、明治9年(1876)には屋号を「丹徳」とした。五代続く現代の鈴木家も建築土木業の分野で地元の商工業を支えている。平成30年(2018)、当代・芳徳が明治34年(1901)建築の邸宅の一部と庭の一般開放を発案。川越から、日本文化の発信に取り組んでいる。

小江戸・川越の旧家が育んだ枯山水庭園

『丹徳庭園』
庭園内の飛び石を歩き、ぐるりと一周できる。初代・徳次郎が京都の伏見稲荷から勧請した「寿徳明神」にそっとご挨拶しよう

そして東京から少し足を伸ばして訪ねてみていただきたいのが埼玉県川越市にある『丹徳庭園』

2018年に、私邸の庭を一般に向けて公開を始めた場所だ。優しい笑顔の女将・鈴木和子さんが丁寧に迎え入れてくれる。

和菓子付きの抹茶体験では、自分で抹茶を点てることができる。

いざ茶道体験か、と身構えるなかれ。けして堅苦しくなく、所要時間は一人20分ほど。説明もわかりやすいので、全くの初心者でも安心だ。そのため、外国人観光客にも人気を呼んでいるという。

『丹徳庭園』
正座が難しい人には、椅子の用意も。簡単な作法や茶筅の動かし方について学べる

まずは川越の和菓子店『龍月』の主菓子をいただいた後、静岡県『清照由苑』の清水両河内産抹茶「白拍子」を使い、泡の少ない点て方で抹茶を点てる。

抹茶は、お菓子を全て頂戴してから一服するのが基本。甘みが、抹茶の苦みや香りをより引き立ててくれる。自分で茶筅を動かして飲む抹茶は、特別な味わいがあるはず。

『丹徳庭園』
抹茶の表面に、泡の無い部分が半月状に残る表千家流のお点前で一服

『丹徳庭園』
干菓子作り体験(抹茶付き2000円、要電話予約)は、阿波和三盆糖を使い、作った後に抹茶といただける

『丹徳庭園』
四季折々の表情を見せる枯山水の景観

[住所]埼玉県川越市六軒町1-8-2
[電話]049-224-9115
[営業時間]10時~15時(入園は14時半まで)
[休日]火、不定休あり(要電話確認)
[入園料]300円(小学生以下は無料)、抹茶体験900円(和菓子付き、なくなり次第終了、要電話予約)、お菓子作り体験2000円
[交通]東武東上線川越市駅から徒歩3分、西武新宿線本川越駅から徒歩7分

さあ、五感を刺激される「庭園抹茶」に、あなたも出かけてみませんか。

撮影/貝塚隆 取材/赤谷まりえ
※庭園のデータは、2019年7月号発売時点の情報です。

※全国での新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前に各お店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。また、各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いいたします。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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